元F1ドライバー、マーク・ウエーバーは、空力規則が大幅に変更された2017年のF1では、エンジンの性能がこれまで以上に重要になると考えている。
今年のルール変更の焦点は、ワイドなマシンとタイヤ、エアロダイナミクスの強化により、ラップタイムを5秒短縮することに置かれている。タイム短縮のほとんどはコーナリングスピードの向上によって実現され、今年は一部のコーナーがストレートとみなされるようになると言われているほどだ。
さらに最低重量が2016年と比較して26kg引き上げられることから、ウエーバーは重量とドラッグが増えることにより、パワーがより一層重要視されるだろうと考えている。
「マシンのダウンフォースは増大し、これまで以上にパワーの影響が大きくなるだろう」とウエーバーは述べた。
「これまでにも増して強力なエンジンが必要になる。タイヤが幅広になり、ドラッグが増加するからだ」
「タイヤがワイドになって、マシンがかなり重くなる。それによって速度が落ちるのは少し残念だね」
しかしウエーバーは、全体的な速度の向上は、エンターテインメントの面ではF1にとって良いことだと考えている。
「スポーツの面では大きく前進するはずだ。久しぶりにマシンが速くなるのだから」とウエーバー。彼は2002年から2013年にかけてF1に215戦参戦し、レッドブルやウイリアムズなどで活躍した。
「ドライバーが本来の仕事をするようになるし、昔のように表彰台に立ったドライバーは汗をかいていることだろう。素晴らしいことだ」
「10年前に僕らが出していたようなラップタイムに戻るんだ」
「見ごたえのあるものになると思うよ」
ピレリの今季F1タイヤは、フロントタイヤは60mm増の305mm幅に、リヤタイヤは80mm増の405mm幅になるが、ホイール径は13インチのままだ。
ウエーバーは、F1がホイール径を拡大しないことで、マシンの全体の印象を損ねていると感じている。
「マシンの見栄えは良くなるだろう。ぱっとしないタイヤを除けばね」と彼は付け加えた。
「もっと大型のタイヤが必要だ」
「タイヤはいまだに小さいものを使っている。ただ、他の部分はかなり良さそうだね」