PR会社エデルマン・ジャパンは、2月7日、第17回信頼度調査「2017エデルマン・トラストバロメーター」の日本の調査結果を発表した。
それによると、「国は正しい方向に向かっている」と思っている日本人は全回答者の33%しかいないなど日本人がかなり悲観的であることがわかった。
「5年後の状況が良くなっている」は世界最下位
今回の調査は、世界28ヶ国、33000人以上を対象に、2016年10月13日から11月16日にかけて実施された。回答者を学歴や収入に基づいて、「知識層」と「一般層」に区別している。
「知識層」には、大卒以上の25歳~64歳で、同世代と比較して世帯収入が上位25%以内の人のうち、メディアに日常的に触れ、ビジネスにも関心を持っている人々が含まれている。「一般層」は、全回答者から知識層を除いた回答者で、こちらが調査対象の87%を占めている。
自国に対する信頼度(自国の企業、政府、メディア、NGOに対する信頼度の平均)では知識層と一般層の間に大きな開きが出た。
知識層の各組織に対する信頼度は、昨年に比べると大幅に上昇し、企業55%(10ポイント上昇)、政府53%(12ポイント上昇)、メディア45%(6ポイント上昇)、NGO/NPO 44%(4ポイント上昇)となっている。
一方、一般層においては、企業39% (5ポイント低下)、政府35%(3ポイント低下)、メディア31%(6ポイント低下)、NGO/NPO 29%(4ポイント低下)と全てにおいて低下した。
知識層では信頼度が上がり、一般層では信頼度が下がった結果、両者の信頼度の格差が昨年よりも大幅に拡大した。
また「自分と家族の経済的な見通しについて、5年後の状況が良くなっている」と答えた回答者は、知識層31%、一般層17%に留まった。この回答は、グローバル平均では、知識層62%、一般層49%となっており、日本は、昨年に引き続き調査対象28カ国中最下位だった。
「子供たちは、私より良い人生を送れるだろう」も29%
さらには、「全体として、国は正しい方向に向かっている」と思っている日本人は全回答者の33%しかいなかった。グロバール平均でも50%と決して高くはないが、日本ではさらにその割合が低くなっている。
「子供たちは、私より良い人生を送れるだろう」と思っている日本人回答者は29%で、こちらもグローバル平均の55%と比較するとかなり低くなっている。
エデルマン・ジャパンの代表取締役社長、ロス・ローブリー氏は、調査結果を受けて、次のように述べている。
「日本人は現在、他の諸外国に比べれば、そこまで社会システムに不信感を持っておらず、様々な社会問題に対しても、不安や恐れのレベルはそれほど高くないように思われます。(中略)しかし、日本における信頼の格差が調査史上初めて明らかになり、また、将来に対して最も不安を抱えているのは日本人であるという事実は受け止めなければなりません」
あわせて読みたい:【悲報】バカンス満喫中のイタリアと日本の一人あたりのGDPはほぼ変わらない