ルノーやBMWザウバーからF1に参戦していたロバート・クビカは、再びF1マシンをドライブすることを望んでおり、身体的な面でもドライブする準備ができたと感じている。
2011年の2月、イタリアで行われていたラリーに参戦した際に起きたクラッシュにより、F1ドライバー生命を絶たれるほどの大怪我を右腕に負ったクビカは、長期間のリハビリを経てWRC世界ラリー選手権に参戦。16年シーズンはサーキットでのレースにも参戦するようになった。
16年にムジェロ12時間耐久レースを含む4つのGTレースに参戦したクビカは、17年シーズン、WEC世界耐久選手権のLMP1-Lにバイコレスから参戦することをすでに発表している。
クビカはここ数年、F1マシンの開発に関わりを持ち続けており、メルセデスを含む多くのシミュレーター作業をこなし、ついにはテストのオファーを受けるまでになった。
インタビューに応じたクビカは、3年前にあるオファーを断ったが、それは当時の自分には、よい仕事ができると思えなかったからだと述べた。しかし、現在では右腕の怪我の後遺症は問題にはならないと考えている。
「あの時は良いドライビングをする自信がなかった」とクビカは語った。
「大きなチャンスはたいてい1度しか訪れない。それは理解しているよ。それでも、自分のコンディションが確かで、良い仕事ができるいう確信がない状態でドライブしたくなかった。そして、その確信が得られないと分かったとき、自分自身に『このオファーのことは忘れるんだ』と言い聞かせた」
「僕の身体の状態は一般的ではない。同じような境遇の人がわずかに居ても、症状は人それぞれ。僕のコンディションも、とても個人的な問題だ」
今、F1マシンのテストのオファーをもらったら受るかと尋ねられたクビカは「受けるよ。今なら前とは違う答えを出す。僕はもう一度F1マシンをドライブしたい」と答えた。
「最後にF1をドライブしてからずいぶん月日が経っているから、自分にできることを証明しないければならないだろう。でも、僕はうまくやれると思う。F1をドライブするスリルをまた体験したいんだ」
「シミュレーターで多くの作業をして、F1が開催されるサーキットの8割はドライブしたと思うよ。もちろん、シミュレーターと実際のテスト、そしてレースの週末の状況はまったく違うことを理解しておかなければならない」
「F1での最後の3シーズンで、僕は満足のいくパフォーマンスレベルを達成できたけど、今はそのレベルには少し及ばないと思う」
「10年のルノーでは、良いパフォーマンスを示し、悪いところは無かったと思っている。あのレベルのパフォーマンスにふたたび達するには何年も努力しなければならない」
「ラリーにはその面が欠けていた。自分のベストが出せるよう準備するのに必要な時間がね。すべてがとても早く終わってしまったんだ」