F1オーナーのリバティ・メディアは新たな自動車メーカーがF1に参入することを望んでいるが、BMWはF1参戦は同社の長期的戦略と一致しないとして、復帰の計画はないと明言した。
BMWが最後にF1に参戦したのは、2000年から2009年のことで、2009年末に世界的な金融危機を理由に撤退した。
リバティ・メディアがF1の新オーナーとなったことで、チャンピオンシップの人気が上昇し、さらに多くのマニュファクチャラーを誘致できるのではないかという期待が高まっている。
F1の運営組織であるFIAは、2021年以降のエンジンルールの枠組みについての討議に、現在F1に参入していない自動車メーカーも参加し、現行のエンジン規格の将来について共に話し合いたいと考えている。
しかし今月初め、アメリカの大手自動車メーカーのフォードが、F1への復帰の予定がないことを明らかにし、大きな理由として参戦ににかかる膨大なコストを挙げた。
BMWも同様に、F1復帰に関して否定的な発言を行った。
「2009年にF1撤退を決断したのは、会社の長期的な戦略に基づく決断だった」とBMWはコメントした。
「BMWはF1のリソースの一部を、代替パワートレイン・ソリューションの研究開発に振り分けたいと考え、そうしたわけだ」
「我々は電動モビリティの分野における、先進的自動車メーカーとしての地位を確立した」
「モータースポーツの世界の動向を見ているが、今のところF1に復帰する計画はない」
BMWは現在、ドイツツーリングカー選手権(DTM)とGTレースに参戦しており、2018年にはル・マン24時間耐久レースのGTEカテゴリーに復帰する。
また、フォーミュラEではアンドレッティチームとテクニカル・パートナーシップを結んでおり、2018/19シーズンへのフル参戦も検討している。
F1には、BMWは1982年にブラバムのエンジンサプライヤーとして初めて参入し、翌年ネルソン・ピケを世界チャンピオンに導いた。
1988年に一度F1を離れるが、2000年にウイリアムズのエンジンサプライヤーとして復帰。2005年までの6シーズンで優勝10回、ポールポジション17回を獲得している。
2005年にはザウバーを買収して翌年からBMWザウバーとしてF1に参戦。2008年にはロバート・クビサがカナダGPで優勝を果たした。
■トヨタもF1への復帰に関心なしか
英AUTOSPORTは、その情報に基づき、BMWやフォードと同様に、トヨタもF1への復帰を検討していないと報じている。
現在、FIA世界耐久選手権(WEC)、FIA世界ラリー選手権(WRC)などのプロジェクトに取り組んでいるトヨタは、活動エリアにF1を追加するつもりはないものと考えられる。
トヨタは2002年にF1に参入、2009年末で撤退するまでに、ポールポジション3回と表彰台13回を獲得したが、優勝を達成することはできなかった。コンストラクターズ選手権での最高順位は2005年の4位だった。