JRC全日本ラリー選手権は2月2~5日、第1戦ラリー・オブ・嬬恋が行われ、2016年チャンピオンの勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI)がトップタイムでフィニッシュ。しかし、JN-6クラス参加者から最終リザルトに抗議が提出されており、現時点で正式結果は発表されていない。
今年、JRCの開幕戦を務めるラリー・オブ・嬬恋は、今年で11回目の開催となる伝統あるイベント。昨年にはFIAの国際格式ラリーとして『FIA International Rally of Tsumagoi』として実施されている。
今年はシリーズ唯一のウインターラリーとしてJRCに組み込まれたほか、今年からスタートしたFIA格式の新シリーズ、『FIA日本スーパーラリーシリーズ(JSR)』の開幕戦も併催された。
競技初日となる3日(金)には全5SSが設定され、スバル勢の勝田と鎌田卓麻/市野諮(スバルWRX STI)がSSごとに総合首位を入れ替える接戦が繰り広げられた。
翌4日(土)の競技2日目はSS6~13の8SSで争われ、0.3秒差で総合首位につけていた勝田は危なげない走りでリードを拡大。
その一方で、総合2番手につけていた鎌田は、SS6でスピンしたほか、SS8でエンジン再始動に手間取り、一時、新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)に交わされ総合3番手に後退。その後はペースを取り戻して、トップと34.1秒差の総合2番手に返り咲いた。
5日(日)の競技最終日は、午後から天候が崩れ、雪が降り出す難しいコンディションとなる。この日はSS14~20の6SS、総SS距離36.608kmで争われた。
総合2番手の鎌田はSS18までに、トップの勝田との差を28.7秒まで縮めたものの、順位逆転は叶わず。競技初日からポジションを守りきった勝田が17年開幕戦を最速タイムで終えた。
「すごく気持ちいいラリーでした」と勝田。
「ウインターラリーは10年以上ぶり。自信はありませんでしたが、タイヤもクルマもとても良く、大きなトラブルやミスもなく走り切ることができました」
総合2位には鎌田が続き、総合3位は奴田原文雄/佐藤忠宜(ミツビシ・ランサーエボリューションX)が続いた。前日、総合3番手につけていた新井はSS15でパンクに見舞われたほか、SS18走行後、マシントラブルでリタイアしている。
なお、最上位クラスのJN-6については、競技会の決定事項に対して異議が提出され、JAFモータースポーツ審議会へ控訴されたため、最終リザルトが発表されていない。
JN-5クラスは参加台数が2台のみだったため、選手権は不成立だったものの、能戸知徳/田中一弘(プジョー208)がトップタイムとなっているほか、JN-3クラスは天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツ)が、JN-2クラスは猪股寿洋/大野靖春(トヨタ86)が、JN-1クラスは三苫和義/小林剛(ホンダ・フィット)がそれぞれクラス優勝を果たしている。
JN-4クラスは参加申請がなかったため、クラス不成立だった。また、併催されたJSR開幕戦は炭山裕矢/保井隆宏(トヨタ・ヴィッツ4WD)が逆転優勝を飾った。
シリーズ第2戦は4月7~9日に佐賀県唐津市で行われるツール・ド・九州2017 in 唐津。このイベントでは勝田が目下、11連勝中と相性の良さを発揮しており、連勝記録を更新できるか注目が集まる。