元FIA会長のマックス・モズレーは、2017年に導入される新ルールによってF1は間違った方向へ進んでしまったと考えている。
F1は今年大きく刷新され、より大きなウイングとタイヤを装着した幅広のマシンによって、ラップタイムが速くなると予想されている。
変更がオーバーテイクに与える影響についてはすでに懸念する声が上がっていた。F1公式タイヤサプライヤーのピレリは、オーバーテイクが非常に難しくなりマシンがつながって走るようになるリスクがあると警告している。
モズレーはITVのインタビューで次のように述べた。「私の個人的見解だが、F1は間違った方向へ行ってしまったかもしれない」
「私だったら、空力面を抑えて、おそらくメカニカルグリップを増大させるだろう」
「意図的にマシンを速くしようとすることに疑問がある。なぜなら過去40年から50年にわたってFIAによって導入されたすべてのルールは、マシンのスピードを遅くするための、遅いかもしくは安全にするためのものだったからだ。スピードを速くすることが危険なのは明白なことだ」
モズレーはF1の新オーナーのリバティ・メディアはF1の将来について柔軟であるべきだと考えているが、ロス・ブラウンがスポーツ面をみる取締役に任命されたのは良い動きだと思っているという。
「ロスはこのスポーツを完全に熟知しており、何がなされるべきか理解している。彼は間違いなく第一級の分析的頭脳の持ち主だ」とモズレー。
「彼はリバティにとってかけがえのない人材になるだろう。(スポーツ面は)彼らがみるべきではないからね」
「ロスは傑出した人材だ。彼らは良い選択をしたわけだ」
リバティはF1を改善するにあたって出てくる課題を過小評価していないかと尋ねられて、モズレーは答えた。「それを見極めるのは難しい。彼らは頭脳明晰ですべてのことを完全に考え抜いているかもしれない」
「一方で、彼らは、思っていたよりも厄介だと思っているかもしれない」
「私はいつも、誰かに競馬の責任者にさせられて、『さあ、これを解決してくれ』と言われるところを想像する。外部からはいつも簡単に見えるものだ」
「自分から見ると間違ったやり方で行われていると思えるものがある。しかし、すべてのファイルや書類が目の前に置かれた時、本当は何が起きているのかが分かるというわけだ」