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Kis-My-Ft2 横尾渉は“味わい深い”アイドル? 料理から俳句まで意外な特技に注目

2017年02月05日 07:22  リアルサウンド

リアルサウンド

Kis-My-Ft2

 Kis-My-Ft2横尾渉の魅力開拓が止まらない。歌っては音を外す、踊っては振り付けを間違え、しゃべっては滑舌が悪いし噛みまくり……なのにファンはもちろん、メンバーや先輩や共演者からかわいがられ、愛される男。ジャニーズ史上、かつてこんなにポンコツぶりが愛でられるアイドルがいただろうか。今回は、そんな横尾の魅力をあらためて分析したい。


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 まずは、その柔軟性。中居正広が舞祭組をプロデュースしたのと同時に、歌がヘタということをイジりはじめ「師匠」と呼ばれるように。もともと横尾に対して、クールで言葉少なめ、どちらかといえば率先して3枚目を演じるタイプではないというパーソナルイメージを持っていたが、デビュー後はイジられキャラもすんなり習得。また、滑舌の悪さも逆手に取って、ラジオで「何を言ってるか聞こえないって?」など自虐ネタを披露するほどに。だが、そんな「アイドルとしてちょっぴり心配」なだけで終わっていたら、ここまで横尾のキャラクターが注目されることはなかったはずだ。彼には、さまざまな特技があり「アイドルなのに?」という意外性で、私たちを楽しませてくれる。


 横尾が「料理が得意」というのは、『キスマイBUSAIKU!?』(フジテレビ系)で広く知られた部分。風邪をひいた彼女への手料理、疲れて帰ってきた彼女への夜食、仕事で頑張る彼女への手作り弁当……など、さまざまなテーマで腕前を披露しているが、そのどれもが栄養バランスに優れて、栄養士からも絶賛のコメントが寄せられる。「生姜は体を温める」「ひじきの鉄分は女性の貧血にいい」と、相手を思いやった食材のチョイスも完璧。かつて、プライベートで家庭菜園をしていることや、ベーコンの燻製に挑戦したことなども雑誌のインタビューで答えている。『キスマイBUSAIKU!?』で、手際よく調理するシーンは、メンバーからも「渉、休日に何してんだよ」というツッコミが殺到。そんな家庭的な一面は、もしかしたら結婚したいアイドル1位かもしれない。


 また、「動物好き」というアイドルは多いが、愛犬のためにペット介護士の資格まで取得するのも横尾らしい一面。その資格を活かして単独で『ペットの王国 ワンだランド』(ABC・テレビ朝日系)のレギュラーを獲得した。1月22日放送回では、横尾が小学校へロケに向かう。アイドルなのに生徒たちからスルーをされてしまうなど自虐っぷりで笑いを誘うも、動物に対する話になると超真剣。あまりに真面目過ぎる内容に、横尾が教壇に立った授業シーンは全カットになり、「察してください」とスタッフからの手紙が読まれてオチがついた。MCの関根勤や篠田麻里子をはじめ、スタッフからも横尾の成長を見守られているのが伝わってくる。優しすぎて、真面目すぎて、不器用で、放っておけない、そんな横尾のキャラクターがあってこそ、番組全体に温かい雰囲気に包まれているようだ。


 そして、最近急激な成長ぶりを見せている特技といえば「俳句」。『プレバト!!』(TBS系列)で辛口添削をすることで有名な夏井いつき先生から、その素質が認められ、本人も興味を持って勉強をスタート。番組では1枚の写真から俳句を詠むのだが、その情景の切り取り方がとても情緒的なのだ。教室と桜の写真からは、卒業を連想して「卒業の 君まなざしの 大人びて」と詠み上げる。また秋の空の写真からは、終戦記念日に寄せて「鰯雲 蹴散らし一機 普天間に」と感情を揺さぶるような一句を披露。その想像力の豊かさと俳句の基礎から学ぶ謙虚さで、グングンと成長している。1月5日にオンエアされた回では、新春の富士山の写真から、「風止みて 闇の深きを 雪舞えり」と富士山の心情を詠み上げる。お愛想では絶対に褒めない夏井先生が「富士山の写真から、この情景を描写するのは深く繊細な感覚もあって良い」「あなたの学んできたことは絶対に体の中に積み重なってる」と、期待を寄せるコメントを引き出した。


 こうしてみると、いずれの番組においてもコレ! という爪あとを残している横尾。それは、歌って踊れる王道のキラキラアイドルとは違う、家庭的で愛情深くて知的な渋めアイドル。その魅力も発掘されて終わりではなく、上達していくところも応援しがいのあるところだ。まるでチーズやワインのように熟成するほど味わい深いアイドルといえるのではないか。(佐藤結衣)