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引退繰り返す大仁田「今回は本当に本当」…また復帰したら「詐欺」になるのか?

2017年02月04日 08:53  弁護士ドットコム

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今回こそ信じていいのかーー。元参院議員でプロレスラーの大仁田厚さんが、還暦を迎える今年限りで引退することを表明している。過去に6度の引退と復帰を繰り返しているが、デイリースポーツによると、「今回は本当に本当に本当です」と真の引退であることを強調している。


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スポーツ報知によると、大仁田さんは昨年11月、引退興行を発表した際に、「引退という言葉をあまりにも使いすぎて、ウソだとか、詐欺だとかいろいろ言われて申し訳なく思っています」と釈明。今回の引退でけじめをつけるとしている。


ネットでは、「昔の紳士服チェーンの閉店セールみたいだ」「二度と復帰しないとは言っていない」などと、揶揄するコメントも見受けられるが、今回の7度目の引退後に復帰した場合、「詐欺だ」として、引退興行のチケット代の返金を求めることはできるのか。西口竜司弁護士に聞いた。


●チケット購入者が「いつものことか」と思っていれば、詐欺にあたらない


「今日報道を見て『またか』という感じでした。私もプロレスファンの端くれとして『復帰はあるかな』という感じでみています」


また復帰した場合、詐欺にはあたらないのか。



「今回の件が民法96条1項に書いてあります『詐欺』にあたるか考えてみます。『詐欺』にあたれば、チケット購入は取り消され、代金を返還してもらうことができます。


『詐欺』とは、違法に詐術を用い相手方に錯誤を生じさせることをいいます。詐欺が成立するためには、(1)欺罔すること(だますこと)、(2)錯誤に陥らせること、(3)故意があることが必要になります。



今回の事案では、難しいところですが、引退するつもりもないのに引退するといった場合、(1)から(3)の要件を満たす可能性があります。ただし、チケット購入者の方が『いつものことか』と思っているような場合、(2)錯誤に陥っているとまではいえないので『詐欺』にならないでしょう。また、今回、本気で引退するつもりであれば、少なくとも(3)故意ではないので、後で考え直してまた復帰したとしても、詐欺にならないでしょう。



結論からいくと『詐欺』にあたるとするのは中々に難しいでしょうね。大仁田さんの引退を心から信じ、また、大仁田さんの方でも引退の時点で、復活するつもりがあるといった事情が必要でしょうね。



プロレスの世界では、話題作りも大切なので仕方ないのかもしれません。私も2回ほど有刺鉄線デスマッチを観戦しましたが、中々面白かったですよ」


(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
西口 竜司(にしぐち・りゅうじ)弁護士
法科大学院1期生。「こんな弁護士がいてもいい」というスローガンのもと、気さくで身近な弁護士をめざし多方面で活躍中。予備校での講師活動や執筆を通じての未来の法律家の育成や一般の方にわかりやすい法律セミナー等を行っている。SASUKE2015本戦にも参戦した。
事務所名:神戸マリン綜合法律事務所
事務所URL:http://www.kobemarin.com/