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ウィノナ・ライダー、完全復活! 『ストレンジャー・シングス』で感情炸裂の表情が話題に

2017年02月03日 14:42  リアルサウンド

リアルサウンド

(c)Netflix. All Rights Reserved.

 『ストレンジャー・シングス』が全米映画俳優組合賞のアンサンブル賞を受賞した。この賞はいわゆる「作品賞」に相当し、キャストや演技の調和が最も優れた作品が選出される。主要キャストが壇上に上がり、みんながトロフィーを受け取る姿は微笑ましく、ファンにとってもうれしい瞬間だ。


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 キャストを代表して受賞スピーチを披露したのは、警察署長のジム・ホッパーを演じたデヴィッド・ハーバー。劇中のキャラクターであるジム・ホッパーとして、アメリカを混沌に陥れているトランプ政権(もちろん、名前は口にしない)に屈しないという情熱的なスピーチを行ったのだが、残念ながら視聴者の視線は隣にいたウィノナ・ライダーに釘付け。


 壇上でデヴィッドがすでにスピーチを始めていた隣で、まずウィノナはキャストみんなにトロフィーが行き渡るように配慮する心遣いを見せる。「スピーチをしているデヴィッドがトロフィーを持っていないのは変」と言わんばかりに、スピーチ中のデヴィッドにもトロフィーを握らせた。そこからだ…。何パターンの表情を持っているのかカウント不可能だが、クシャクシャの笑顔やしかめっ面、目を見開いて驚くなど、絶え間なく表情を変え、拳を上げたりガッツポーズをしたりと、劇中で演じたジョイス・バイヤーズ並みの感情表現を炸裂させたのである。イッちゃってるチャーリー・シーンのような顔付きはインパクト大で、Buzzfeedのデザイナー、ジェン・ルイスはウィノナの28パターンの表情をキャプチャーすることに成功、巷では様々なGIF画像も拡散されている。


 『ストレンジャーズ・シングス』は1980年代のインディアナ州を舞台に、少年ウィル・バイヤーズが失踪するところから始まる。ウィルの母親ジョイス、兄、警察らがそれぞれ捜索を進める中、不思議な能力を持つ少女イレブンと出会った親友のマイクたちも、彼女の力を借りて捜索に奮闘するーーという物語。観客のノスタルジーを刺激する、いかにも80年代という風貌の子どもたちの活躍に共感と話題が集まったが、もちろん大人俳優も負けてはいない。


 演技力という点で深みを添えているのは、何といってもウィノナだ。女手一つで17歳のジョナサンと12歳のウィルを育てるジョイスを、一切の美貌を封印して演じている。身内のジョナサンにまで「常軌を逸している」と思われてしまうほど、すっぴん&髪を振り乱し、半狂乱でウィルを探すジョイスの姿に、ウィノナの女優魂を感じた。その功績は、今年のゴールデングローブ賞のドラマ部門女優賞にノミネートされたことが証明している。


 映画デビュー初期から演技力には定評があり、順調にキャリアを築いていたウィノナだったが、2001年に起こした万引き事件が一気に暗い影を落とした。あれから16年。『スター・トレック』や『ブラック・スワン』などの大作のキャストに名を連ね、そこでも好演を見せたが、事件前には『17歳のカルテ』や『オータム・イン・ニューヨーク』で主演を張っていたことを思うと、いささか落ちぶれた感が否めなかった。


 しかし、ここにきて『ストレンジャー・シングス』で再ブレイクを果たしたウィノナ。今年放送されるシーズン2では、ウィノナ演じるジョイス・バイヤーズの交際相手に、『ロード・オブ・ザ・リング』のショーン・アスティンが加わるという。シーズン1では徹底して「母親役」を貫いたジョイスにどのような変化が起こるのか、そしてそれをウィノナがどう演じるのかが楽しみだ。
 
 全米俳優組合賞のアンサンブル賞を受賞しただけに、キャストのチームワークは抜群。デヴィッド・ハーバーの感動的な受賞スピーチの横で話題をさらってしまったウィノナに対し、幸いにも彼は怒るどころか「早く会って、からかいたい」と笑い飛ばし、「彼女のことが大好きなんだ」とラブコールを送っている。シーズン2の放送までは余裕があるので、ぜひシーズン1のウィノナの熱演を見ていただきたい。(賀来比呂美)