2016年シーズン、アウディからWEC世界耐久選手権に参戦していたブノワ・トレルイエは、2月末に17年の活動プログラムを発表すると明かした。
12年からアウディ・スポーツ・チーム・ヨーストのワークスドライバーとして、WECに参戦してきたトレルイエ。しかし、アウディが昨年限りでシリーズでの活動を終了したため、去就に注目が集まっていた。
そんなトレルイエは昨年末、フランス国内で行われた氷上レース『アンドロス・トロフィー』にベルジャン・アウディクラブ・チームWRTから参戦。ここで“走る楽しさ”を痛感したという。
「次のレースまでの間隔が短いから、すべてがあっという間だった。本当に楽しかったよ」とトレルイエ。
「参戦しているドライバーたちに“紳士協定”なんてものはないし、レース戦略というものも歓迎されない。とにかく見ごたえがあるレースをすることに全力を注いでいるんだ」
「僕も彼らの考え方や精神は好きなんだ。時々、僕がアウディ時代にやっていたように現実的な考え方をするべきだと思うこともあったけど、そうなるとシリーズの特徴が損なわれてしまう」
こう語るトレルイエは、アンドロス・トロフィーのパドックに流れる雰囲気も心地良かったと述べている。
「2003年から、メーカーのワークスドライバーとして戦ってきた。そこではミーティングやレポートの提出など、コクピット外での仕事も多く、時おり、モータースポーツが持つ本当の楽しさを忘れそうになっていた」
「ただ、アンドロス・トロフィーでは純粋にマシンを操ることを楽しむことができたんだ。17年シーズンへ向けて気分を一新することができたよ」
17年シーズン、トレルイエはGTカーレースへの参戦を主軸にラリークロスへのスポット参戦なども視野に入れていると明かし、2月末には活動プログラムを発表するとしている。
「サーキットを走り続けたいと思っているし、僕の経験をほかのドライバーたちとシェアしたい」
「(2014年に参戦し、総合11位という)不本意な結果で終わったスパ24時間に再挑戦したい。スーパーGTでみせていたように、僕の実力はあんなものではないからね」
「ドライバーとしてか、観客としてかは分からないけど、今年もル・マン24時間耐久レースには足を運びたいと思っている。いい機会に恵まれたら嬉しいけど、無理に契約を勝ち取るつもりはないよ」
「そしてラリークロスにも興味がある。まったくの未経験だから、参戦するとなればチャレンジングなものになるだろうけどね」
「まだ、アウディと一緒に働いているけれど、ほかのことにも取り組みたい。今シーズンはいわゆる“何でも屋”になろうと思っている」