映画『美しい星』の公開日が5月26日になることが発表。あわせて場面写真が公開された。
吉田大八が監督を務める同作は、三島由紀夫が1962年に発表した同名SF小説をもとに、物語の舞台を現代に移して映画化した作品。平凡な家族が突然宇宙人として覚醒し、「美しい星」である地球を守ろうと奮闘する様を描く。キャストには火星人に覚醒する大杉重一郎役のリリー・フランキー、水星人に覚醒する長男・一雄役の亀梨和也、金星人として目覚める長女・暁子役の橋本愛、家族の中で唯一覚醒しない妻・伊余子役の中嶋朋子らが名を連ねる。
場面写真では、「当たらない」ことで有名な天気キャスターの大杉が番組の収録に挑む様子や、不思議なポーズをとる暁子の姿、積み重ねられた「美しい水」のダンボールを前に立ち尽くす伊余子の様子、佐々木蔵之介演じる謎の男・黒木克己が黒塗りの車の前に立っている様が確認できる。
あわせて原作者の三島と縁のある筒井康隆、佐藤秀明が同作に寄せたコメントが公開されている。
■筒井康隆のコメント
それにしてもなんという繊細な映画であろう。文学性と娯楽性のぎりぎりの狭間で緊張感は保たれている。
最後の場面は、現代SFだからこそ、現代文学だからこそ可能な、原作にはない「救い」があり、観客の心は癒されるのである。
■佐藤秀明のコメント
「パーマネント野ばら」や「桐島、部活やめるってよ」で、話の核となる存在を、鮮やかな手つきで朧化した吉田監督は、奇怪な思考をする宇宙人が卑俗な人間かもしれないという曖昧さを、見事に21世紀の現代人の中に描き直した。「美しい星」は、換骨奪胎して深い主題で原作と響き合った映画である。