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リリー・フランキー主演『美しい星』公開日決定 三島由紀夫ゆかりの識者からコメントも

2017年02月03日 11:03  リアルサウンド

リアルサウンド

(c)2017「美しい星」製作委員会

 リリー・フランキー主演映画『美しい星』の公開日が5月26日に決定。あわせて、原作者・三島由紀夫ゆかりの識者からコメントが寄せられた。


参考:リリー・フランキー、亀梨和也、橋本愛が宇宙人に覚醒!? 吉田大八監督作『美しい星』特報映像


 本作は、三島由紀夫が1962年に発表した異色SF小説を、『桐島、部活やめるってよ』『美しい星』の吉田大八監督が設定を現代に置き換えて大胆な脚色に挑んだSF映画。ある日突然、自分たちは宇宙人だと覚醒した平凡な家族が、“美しい星・地球”を救おうと奮闘する模様を描く。主人公のテレビ気象予報士・大杉重一郎役をリリー・フランキーが演じるほか、亀梨和也、橋本愛、中嶋朋子、佐々木蔵之介が出演する。


 このたびコメントを寄せたのは、1988年から2007年まで三島由紀夫賞選考委員を務め、三島を扱ったエッセイ『ダンヌンツィオに夢中』も発表している作家の筒井康隆と、国内における三島由紀夫研究の第一人者のひとり、近畿大学文芸学部教授の佐藤秀明という三島と縁の深い2人。吉田監督の脚色について、それぞれが“お墨付き”のコメントを寄せている。


■筒井康隆(作家)コメント
それにしてもなんという繊細な映画であろう。文学性と娯楽性のぎりぎりの狭間で緊張感は保たれている。最後の場面は、現代SFだからこそ、現代文学だからこそ可能な、原作にはない「救い」があり、観客の心は癒されるのである。


■佐藤秀明(近畿大学文芸学部教授)コメント
『パーマネント野ばら』や『桐島、部活やめるってよ』で、話の核となる存在を、鮮やかな手つきで朧化した吉田監督は、奇怪な思考をする宇宙人が卑俗な人間かもしれないという曖昧さを、見事に21世紀の現代人の中に描き直した。『美しい星』は、換骨奪胎して深い主題で原作と響き合った映画である。


(リアルサウンド編集部)