2月2日、東京・お台場のMEGA WEBで開催された『2017 TOYOTA GAZOO Racing プレスカンファレンス』に世界ラリー選手権(WRC)を戦うトミ・マキネン、ヤリ-マティ・ラトバラが登場。トークショーやトヨタ・ヤリスWRCのデモランを行った。
2017年からTOYOTA GAZOO Racing WRT(ワールドラリーチーム)として、18年ぶりにWRCへフル参戦しているトヨタ。復帰初戦となったラリー・モンテカルロでは、総合2位を獲得するなど、順調な走り出しをみせた。
2日に行われたカンファレンスには、チームのエースドライバーを務めるラトバラ、チーム代表のマキネンが登場。開幕戦を振り返り、今後への展望を語った。
「準備は整えていたが、(モンテカルロは)難しいラリーとなった。チームにとっては素晴らしいスタートだった」とマキネン。
「(開幕前、)ラリーの週末はリラックスして、笑って、楽しみながら戦おうとスタッフに話したんだ。彼らはしっかりと実践してくれたよ」
「責任感を持つ、風通しを良くする、互いを信頼する。この3点をキーワードにチームを作り上げた。スタッフもこれを意識し、“ワンチーム”としてモンテカルロを戦うことができた」
また、ラトバラは「チームにとっての初戦で、コンディションも難しかった上、いくつかトラブルもあった。それでも最終的にいい結果を出せたし、一丸となって戦うことができた」と開幕前を振り返る。
また、ラトバラが「(豊田社長とは)ラリーが始まる前に電話で話をしたし、終わった後にはビデオメッセージを貰った。ただ、(モンテカルロ後に直接)会ってはいないんだ」と明かすと、出席が予定されていなかった豊田氏がサプライズゲストとして登場。マキネンとラトバラは、驚きの表情を見せながらも笑顔で豊田社長と固く握手を交わした。
その後、豊田氏も加わる形でトークショーは進行。レースに参戦するなど、自身もドライバーとしての顔を持つ豊田社長は、走行前の心境など、ドライバーならではの視点から質問を投げかけたほか、「今年のWRCは全13戦あり、すべて戦い終えた後に、我々のクルマが1番速いものに仕上がっていることを期待」して、“Safety Drive”と書かれたモリゾウステッカーをプレゼントする一幕もあった。
「(トヨタとして)18年ぶりの参戦で注目を浴びるなか、変化する天候や慣れないマシン、成長過程のチームとともに戦いました」と豊田氏。
「そのなかで総合2位を手にできたのは、彼らがセーフティドライブの精神を心がけてくれたからだと思う」
最後に残る12戦への展望を問われると、マキネンは「ハードワークとデータを解析し続けて、チームをより強力にしていく」と宣言。
また、ラトバラも「チームと同様、僕も負けず嫌い。今年は勉強の年と言っているけれど、どんどん強くなっていきたいね」と応じたほか、2月9日に開幕が迫った第2戦スウェーデンに向けて「昨年のクリスマス前に合計6日間、そして先週末にも雪上テストをこなした。マシンの感触はいいし、楽しみながらドライブできた。目標はトップ5に食い込むことで、表彰台に上がることができたら嬉しいね」と抱負を述べている。
プレスカンファレンス終了後、ラトバラはMEGA WEB内の試乗コース『RIDE ONE』でヤリスWRCのデモランも実施し、豊田氏をコドライバー席に同乗させながら、ドーナツターンを披露。新世代WRカーのエキゾーストサウンドがお台場に響き渡った。