メルセデスF1チームで技術部門のエグゼクティブディレクターを務めたパディ・ロウが、来月初めにウイリアムズの技術部門トップのポジションに就くことが内定した。
1月10日、メルセデスはロウがチームを離れ、ガーデニング休暇に入ったことを正式に発表した。
ウイリアムズでチーフテクニカルオフィサーを務めたパット・シモンズは12月末でそのポジションから退いており、ロウはウイリアムズに移籍するものと以前から考えられていた。
ロウの具体的なポジションについての交渉に時間がかかっていたが、チーム副代表のクレア・ウイリアムズ、グループCEOのマイク・オドリスコール、非常勤会長のニック・ローズと共に、主要取締役のひとりとなることが決まったようだ。
これは、シモンズのかつてのポジションよりも上位であり、ロウはチームの株式も取得したものとみられている。また、技術部門ではチームの中でトップのポジションに就く。
ガーデニング休暇期間を短縮し他チームに移籍するためのメルセデスとの手続きが完了すれば、ロウは3月1日にウイリアムズでの仕事を開始するものとみられる。
ロウは1987年にウイリアムズでF1キャリアをスタートし、チームに数々の成功をもたらした。アクティブサスペンションの開発をリードし、これによりFW14Bは圧倒的強さを発揮、1992年にナイジェル・マンセルがチャンピオンの座に就いた。
また、メルセデスでは3年連続ダブルタイトル獲得に貢献している。
ロウは、レッドブルのエイドリアン・ニューウェイ、フェラーリの元テクニカルディレクター、ジェームズ・アリソンとともに、F1デザイナーのスーパースターとして評価されている。
技術体制強化に努めるウイリアムズはまた、フェラーリの元エアロダイナミシスト、ダーク・デ・ビアを上級職に据えることも、近々発表する見込みだ。
ロウはチャンピオンチーム、メルセデスでのノウハウをウイリアムズに持ち込み、自分の下で強力な技術チームを形成するため、メルセデスから何人かエンジニアを引き抜くために動くとも言われている。
ウイリアムズはコンストラクターズタイトルを9回獲得した経験を持つ名門チームだが、1997年を最後にチャンピオンの座から遠ざかっている。
2014年と2015年にはランキング3位となったが、昨年は5位に後退し、今年は巻き返しを狙う。
ロウを失った王者メルセデスは、昨年フェラーリから離脱したアリソンを起用するものと考えられている。