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高知の不思議スポット、願いが叶うか教えてくれる「おもかる地蔵」に行ってみた

2017年02月01日 16:53  おたくま経済新聞

おたくま経済新聞

高知の不思議スポット、願いが叶うか教えてくれる「おもかる地蔵」に行ってみた

 直木賞作家である坂東眞砂子さんの名作『死国』は高知県を舞台としており、古代伝承や信仰を題材としていることはよく知られています。この作品の影響や「陸の孤島」と言われるほど山に囲まれていることから、高知県には不思議スポットがたくさんあるのではないか……と言われています。


 というわけで、今回はそんな高知県にある魅力的な不思議スポットを探索してきたのでご紹介したいと思います!


【元の記事はこちら】


■願い事の行く末を視てくれる「おもかる地蔵」


 高知市の中心街からやや西に位置する住宅街の中に観音寺というお寺があります。ここには高さ30cmほどの石で造られたお地蔵さんが祀られています。この小さな可愛らしいお地蔵さんは「おもかる地蔵」と呼ばれ、その重さで願い事の行く末を視てくれることで古くから地元民に愛されているそうです。


 お地蔵様は言葉の代わりに重くなるか軽くなるかで質問に答え、その人の未来を切り開いてくれるそうです。境内には本堂、護摩堂、そしてお地蔵様がいらっしゃる「おもかる地蔵堂」などがあり、洗心場にて口と手を清めてから順にお参りをしていき、最後におもかる地蔵堂にてお地蔵様に願い事や現在取り組んでいることが叶うかどうかをお伺いします。


■どうやってお伺いするの?


1:まず正面からおもかる地蔵様をお参りしてから後ろに回る。そしてお伺いする前にまず「お体に触れさせていただきます」と言ってからお地蔵様を持ち上げて元の重さを覚えておきます。


2:その後「お試し」として「軽くなってください」「重くなってください」とお願いし、お地蔵様を持ち上げて体の重さの変化を体感します。


3:次に「私のお伺いに重くなってお答えください」もしくは「軽くなってお答えください」とお願いしてから、お伺いしたいことを聞いてお地蔵様を持ち上げます。このとき例えば「重くなってお答えください」とお願いしていた場合、お地蔵様の体が最初に体感した重さよりもずっしりと重くなれば、お地蔵様の答えは「イエス」。重くならなければ「ノー」だということです。


ただし、真剣さが足りない場合やお地蔵様を試すような気持ちがある人は、お地蔵様からお断りされてしまう場合も。その場合は、最初「お試し」の際にお地蔵様の重さの違いがわからないそうです。


■お伺いする上での作法


 お地蔵様を持ち上げるだけで願い事が叶うかどうか聞けるなんて簡単! と思った人は大間違いです。お地蔵様にお伺いするためには、様々な手順や注意点があり、堂内には作法の説明書も用意されています。


・お伺いは「はい」「いいえ」で答えられるものに限る。
・お伺いしたい場合、まずインターホンにて寺務所の人に連絡する。ご不在の場合は、おもかる地蔵堂内にある「おもかる地蔵様にお伺いされる方へ」と書かれた説明書を熟読して手順を確認する。本堂、護摩堂、おもかる地蔵堂の順にそれぞれお線香とローソクに火をつけてお参りし真言を7回ずつ唱えていく。
・おもかる地蔵堂では、お地蔵様の前に膝をついてお参りする。
・お伺いが終わった後はお地蔵様にお礼を申し上げる。
・願い事がかなったら、後日お地蔵様にご報告する。
・お伺いの際、指輪、時計などの貴金属は外す。
……など


このように決して「簡単に」行えるものではないので、もし訪れた際には説明書の手順を踏んでからお伺いするようにしてくださいね。


■実際にお伺いしてみた!


 さて、実際に手順を踏んでお地蔵様にお伺いしてみました!


 お伺いした内容は健康や家内安全など様々ですが、中でも今回の最大のポイントは「女性編集部員の誰かが町中で綾野剛さんとぶつかることはあるのでしょうか?」というお伺い。ご存知の通り、筆者を始めとして編集部には綾野さんファンが多いのです。ピンポイントで誰かとなると難しいけれど、編集部員全体ならば勝算があるのではないか! そう感じて真剣に「重くなってお答えください」とお伺いしたところ、それまでの質問とは比にならないくらい軽く軽くなってお答えしてくださいました。
そう、まるで「20年早いですよ」と言ってくださっているかのよう……。


 自分の願いとは違う結果が出たとき、つまり「はい」と答えて欲しいときでも「いいえ」の答えが出てしまったときは、その願いに関してもう一度よく検討したほうがいいよというお答えなんだそうです。「万が一思い通りの答えがもらえなくとも、この先のあなたの努力次第では道は必ず開けますよと示して下さったと思い、一層の努力と工夫をされてみてください。」(※説明より抜粋)とのこと。筆者の場合、まずは努力の矛先を模索する必要があるようです。


 すっかりキュートなお地蔵様のファンになったことは言うまでもありません。様々な願い事が叶ったら、またお礼を言うために訪れようと心に誓ったのでした。


<アクセス>
【観音寺】
高知県高知市山手町23-2


JR高知駅から土佐電鉄路面電車伊野方面に乗り換え
旭一丁目駅下車徒歩5分


(大路実歩子)