トロロッソF1の代表を務めるフランツ・トストは、2016年はシーズンを通して、チームが使用した1年落ちのフェラーリ製パワーユニットのハンディキャップ克服に取り組んできた、と述べた。
トロロッソは、16年に暫定的にフェラーリの15年最終型パワーユニットを使用していたが、その間ライバルチームは新たなスペックを備えたエンジンを使い、さらに年間を通してアップデートを続けてきた。
チームはコンストラクターズ選手権を2015年と同じ7位で終えたものの、2016年には開幕戦のオーストラリアGPの予選を5位と7位で終えたドライバーふたりの順位が、第20戦ブラジルGPの予選では14位と15位にまで下がり、最終戦アブダビGPの決勝では両者リタイアという成績に終わった。
シーズンが進むにつれ下がっていくポジションに対し、チームは第12戦ドイツGPから新たな空力アップデートを導入したが、これがパフォーマンスの向上をもたらすかどうかを見極めるため数レースを要した。
「我々はこの問題に思い切って取り組んできた。その結果、まったく新しい空力パッケージを開発できたんだ」とトストは語った。
「エアロダイナミクスの側面から言えば、我々はすでにとても優れたマシンを持っていた」
「ドイツGPに導入した空力パッケージによってダウンフォース量がさらに増加し、マシンは良くなったが、ダウンフォースの増加は時に若干のドラッグ増加につながる」
「そして、ライバルたちもパワーユニットをさらに進化させてきた。すべてを総合的に考えれば、我々が常に彼らと近い位置で戦うのは無理だと判断せざるを得なかった」
「これ以上は追い付けなかった。我々の限界を超える話だ」
「我々がいくらシャシーの開発を進めても、パワーユニットの開発も進めてきたライバルチームとしっかり戦えるレベルにまではとても到達できなかったんだ」
カルロス・サインツJr.とダニール・クビアトを擁するトロロッソが、17年から現行スペックのルノー製エンジンに戻すのに先立って、トストはこれまでの苦闘を踏まえつつもフェラーリの仕事を称えた。
「我々の戦績は、フェラーリ製パワーユニットと直接の関連性はない。パワーユニットの性能は落ちなかった」
「私が常に質問を投げかけていたのは、パワーユニットの出力がシーズンを通して常に一定かどうかを見極めなければいけなかったからだ」
「フェラーリはいつだって変わらずに素晴らしい仕事をしてくれたよ」