NASCAR：2017年の新フォーマットは「理想的」。参戦ドライバーも支持
2017年01月31日 18:22 AUTOSPORT web
導入される新たなレースフォーマットでは、1レースを“3ステージ”に分割。各ステージの勝者にはボーナスポイントが与えられる。また、『チェイス』として親しまれてきたプレーオフ制度も、『プレーオフ』に名称変更されるなど、さまざまなルール変更が行われている。
NASCAR側は、この新フォーマットをドライバーやチーム、参戦メーカーやスポンサーたちと協力して作り上げたとしている。
ジョー・ギブス・レーシングのドライバーであるデニー・ハムリンは、レース中にポイントを獲得できることで、モータースポーツは、そのほかのスポーツと同じポジションに立ったと語る。
「モータースポーツは、イベントの最後までスコアが分からない唯一のスポーツだと言える」とハムリン。
「（ゴルフの）PGAツアーでは、バーディーやパーでホールごとにスコアが分かる。アメリカンフットボールにはタッチダウンがあり、そのシーンにファンは熱狂するんだ」
「一方、モータースポーツでは最後までポイントの行方は分からず、レースが終わってから各ドライバーにポイントが振り分けられるんだ」
「新しいレースフォーマットでは、（ほかのスポーツと同様、）イベント中にポイントが獲得できるようになる」
また、ハムリンはレース中、ファンを含めたあらゆる関係者が「休憩を取ることができる」ようになるとも述べている。
「レースには、つかの間の休息が必要だ。そうすればファンは手に汗握るオーバーテイクショーを見逃すことなく、トイレに行くことができるからね」
「それにテレビを放送する立場からは、コマーシャルを流しても問題ないタイミングを把握できるようになる」
4度のカップシリーズ王者であり、現在は解説者を務めるジェフ・ゴードンは、この新しいフォーマットは特にテレビ放送でうまく機能すると語った。
「テレビ放送とNASCARの親和性は、より高まるだろう」
「コース上にマシンがおらず、何も起きない状況になってからコマーシャルが流れはじめる」
「そして、コマーシャルが終わるとマシンがピットやピットロードに整列している映像が流れるわけだ」
「コマーシャル・ブレイクを挟んだら、ステージウイナーやチームクルーのインタビューがある。そして時間が来たら、マシンを整列させ、レースを再開するんだ」
各ステージウイナーとレースウイナーに与えられる『プレーオフ』に持ち越せる“プレーオフポイント”の追加設定も、各レースの魅力を高める手段として、支持されている。
これまでの『チェイス』同様、レギュラーシーズン中に1勝でも挙げれば『プレーオフ』進出権を獲得できると考えられているが、ハムリンはボーナスポイントがあることで全レースで全力を尽くすことを強いられるとの見方を示した。
「レースで勝利すれば、緊張から少し解き放たれるし、残りのレースをテストランとして走る場合もあるだろう」
「しかし、今後は各レースで成功を収めれば、（チャンピオンが決まる最終戦）ホームステッドまでの道のりが少し楽になる」
2012年のカップシリーズチャンピオンであるブラッド・ケゼロウスキーは、今回の変更によって、現代のモータースポーツにとって完璧なフォーマットが生み出されたとしている。
「これは今まで見たなかで最高のレースになるだろう」
「1940年代や50年代、NASCARは耐久・長距離レースをもとに形作られた」
「しかし、今はチームも賢くなっている。現代のテクノロジーを駆使してゼロからモータースポーツを作り上げるとなれば、NASCARの新フォーマットは理想的な形だよ」
