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乃木坂46、17th選抜は“グループの再定義”? 新体制に込められたメッセージを読む

2017年01月31日 17:03  リアルサウンド

リアルサウンド

乃木坂46『サヨナラの意味(Type-B)』

 乃木坂46が1月29日放送の『乃木坂工事中』(テレビ東京系)で、17thシングルの選抜メンバーを発表した。


 今回は16thシングル『サヨナラの意味』の19人選抜から2人が増加し、21人選抜に変更。13thシングル表題曲「今、話したい誰かがいる」以来となるWセンター制で、同作と同じく西野七瀬と白石麻衣がセンターへと抜擢された。ほかにも、秋元真夏が初めて1列目の位置に移動し、寺田蘭世が初選抜入り、中田花奈・樋口日奈・斉藤優里が久しぶりの選抜復帰を果たした。


 2017年最初のシングルでWセンター制を打ち出したこと、過去最多となった選抜メンバーの人数は、どのような意味を持つのだろうか。リアルサウンドで乃木坂46系の記事を多数執筆し、『「アイドル」の読み方: 混乱する「語り」を問う』の著者でもある香月孝史氏はまず、今作の位置付けについてこう定義する。


「乃木坂46が2016年にリリースしたシングルは、深川麻衣さんの卒業(『ハルジオンが咲く頃』)、齋藤飛鳥さんの初センター抜擢(『裸足でSummer』)、橋本奈々未さんの卒業(『サヨナラの意味』)と、いずれも大きなイベントが伴うものでした。17thシングルの選抜メンバーは、フロントメンバーが変動し続けるその流れに一つの区切りをつけ、落ち着いた状態で、現在の乃木坂46の「顔」がもつポテンシャルを改めて確かめる布陣になっていると思います。この時、選抜メンバーとして見せるべき顔ぶれが増えているのは、現在グループ全体としても各メンバーの個人活動としても、乃木坂46が好調であることのあらわれともいえます」


 また、同氏は西野と白石のWセンターについて「余計なことを考えさせなくてすむという意味合いも持つ」と解説する。


「先に挙げたように、ここ数作における単独センターが『抜擢』のほかに『卒業』の意味合いを強めるものでもあったため、17thシングルでキャリアのあるメンバーを単独センターに起用すると、ここ一年ほどの流れを受けて、そのメンバーの今後についての推察が加熱する可能性もあります。今回、13thシングルの際と同じ二人がWセンターに入り、福神にも馴染みのあるメンバーが顔を揃えたことで、その流れが一旦落ち着くのではないでしょうか。昨年も新センターという大きな変革は、夏シングルで訪れました。今作は昨年から引き続く層の厚さやグループの充実を見せ、もう一度しっかりと基盤を固めるもので、刺激的な動きは次作以降に訪れるのではと考えます」


 続けて、今回のフォーメーションは「組み合わせの妙」が見どころだと述べる。


「1列目の秋元真夏さん・衛藤美彩さんや、堀未央奈さん・齋藤飛鳥さん、2列目の若月佑美さん・桜井玲香さん、生駒里奈さん・生田絵梨花さんといったように、センターが2人であることに呼応してか、シンメトリーの位置にペアとして目立つメンバーを配置しているようにも見えます。フォーメーションとしては選抜人数が増えたこともあり、これらの組み合わせの妙がどうパフォーマンスに落とし込まれるのか楽しみですね」


 最後に香月氏は、今回のシングルでアンダーから4名が昇格したことがグループ全体に与える影響についても注目してほしいという。


「斉藤さん・寺田さん・中田さん・樋口さんと前作のアンダーメンバーが3列目に4人入ってきたことは大きなポイントだと思います。これまで、アンダーライブなどでアンダーメンバーの実力が目立つようになって以降も、前作でアンダーだったメンバーが選抜入りした時に、その勢いを選抜メンバーの中ですぐさま反映させるのは難しかったと思います。しかし今回、アンダーライブで中心的な役割を担ってきたメンバーがここまで一度に入ってくると、アンダーライブから受け継いだ勢いがしっかりと現れるのではないでしょうか。特に2016年末に4日連続で開催されたクリスマスライブでは、最終日をアンダーの単独公演で締めくくりました。直後のシングルでその勢いをどのように発揮するかが楽しみです。また、選抜メンバー増員によって人数の減った17thアンダーメンバーに関しては、3期生がどのように関わってくるか、カップリング曲のユニットの顔ぶれも含めて気になるところですね」


 アンダーが好調な流れを作り、グループ全体も上昇傾向にある現在。新体制はさらにグループの充実を示すことができるのだろうか。(中村拓海)