ル・マン24時間を統括するフランス西部自動車クラブ(ACO)は、2017年シーズンからイギリスを拠点とする新たなLMP3選手権の設立に合意し、同時に40,000ポンド(約570万円)の賞金を提供すると発表した。
LMP3部門のレギュレーション制定と運営を担当しているACOは、イギリスでGTカップを運営するビュート・モータースポートと提携し、LMP3による新たなプロトタイプ・カップ・シリーズを立ち上げることとなった。この契約により、ビュート・モータースポートはイギリス国内で公式にLMP3の名を使用することが可能となる。
ビュート・モータースポートが命名権を手にすると同時に、ACOはシリーズチャンピオンに対して2018年のELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズへのエントリーフィーを含むパッケージ賞典を用意。このなかにはル・マン24時間耐久レースへの出場サポートも含まれる。
そのため、最終的な賞金総額は40,000ポンド(約570万円)を大きく超える価値になると予想されている。
ACOのスポーティング・ディレクターを務めるビンセント・ボメニルは「ACOによって開発されたLMP3規定が急速に成長を遂げていることを知ってうれしく思う」とコメントした。
「LMP3は今や世界的に足跡を残していて、イギリスでのチャンピオンシップ発足の流れは、それをより広範囲に拡張する助けになるだろう」とボメニル。
「オーガナイザーとなるビュート・モータースポートとは長きにわたって話し合いを続けてきた。選手権として正式にスタートしてポテンシャルを最大限に発揮できることは非常にうれしい」
現在のLMP3規定では、上位カテゴリのLMP2同様シャシーコンストラクターがACOにより指定、制限されており、そのマニュファクチャラーとしてジネッタ、リジェ・オンローク、ライリー・テクノロジー、アデス、童夢、ノルマの6社が公認されている。
昨年6月、オーガナイザーはACOと共同で元F1ドライバーのジョナサン・パーマーが経営するモータースポーツ・ビジョン(MSV)社運営のスネッタートン・サーキットでプレビューレースを開催し、8台のエントリーを集めた。
2017年の新シリーズには、ユナイテッド・オートスポーツ、ダグラス・モータースポーツ、グラフ・レーシング、タックウィズ、そして新たにメクテックとRML(レイマロック・リミテッド)のジョイントチームなど、スポーツカーレーシングのトップチームによる参加が見込まれている。
今季のLMP3カップチャンピオンシップはイギリス国内で5戦が予定され、6月のル・マン24時間の前週にはベルギーのスパ・フランコルシャンでもレースを開催する予定となっている。