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『バットマン vs スーパーマン』酷評のベン・アフレック、いたずら動画“サッド・アフレック”に言及

2017年01月31日 12:22  リアルサウンド

リアルサウンド

(c)2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC AND RATPAC ENTERTAINMENT, LLC

 ベン・アフレックが、自身のインタビュー動画をネット上でおもしろおかしく脚色された動画「Sad Affleck」(悲しげなアフレック)について、ついにコメントした。10ヶ月を経て、立ち直ったらしきベン。まずは「Sad Affleck」とは何なのか、またその動画が作られたきっかけを振り返りたい。


動画はこちら


 事の発端は昨年3月、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』の公開直前に、新バットマンに就任したベンと、スーパーマン役のヘンリー・カヴィルが共に受けたインタビューだった。インタビュアーから「すでに映画を見た人たちからの批評が投稿されているようですが…」と話を切り出されると、ベンはムッツリ顔で「僕は(批評は)読んでない」、ヘンリーは笑顔で「どんな風に言われているの?」と、態度が対照的な2人。インタビュアーは「“良い”“悪い”が入り混じっているようです」と控えめに言いつつも酷評されていることを匂わせて、「こういった評価が今週公開の映画に影響があると思いますか?」とダイレクトな質問を投げかけた。


 ヘンリーは「批評というのは、個人の意見が反映されたものだから」などと、優等生的な回答でうまく切り抜けたのだが、その間、ベンの様子に明らかに異変が。俳優のインタビュー中の姿とは思えない、悲し気な顔で終始無言。視線を下に向けているのは、正面を見てしまうと涙がこぼれてしまうからか? と思わせるほど、悲壮感に溢れている。そして、ヘンリーが熱弁を終えると、ボソッと「彼と同じ意見だ」と答えたのだ。


 インタビュー動画が公開されるや否や、誰かがこの動画のベンに焦点を当てて編集。サイモン&ガーファンクルの名曲「サウンド・オブ・サイレンス」のBGMを加えた動画「Sad Affleck」を製作し、瞬く間にネット上で拡散され、2,200万回以上もの再生回数を記録した。


 それから10ヶ月。ベンは「BBC Radio 1」のインタビューで「Sad Affleck」を見たということを認め、「あれは、僕が何もしゃべらないで、そこに誰かがサイモン&ガーファンクルの曲を乗せられるようなインタビューを、ヘンリーと受けてはダメだってことを教えてくれたよ」と事実をジョークにして笑いを誘った。


 立ち直ったベンに水を差すようで申し訳ないが、このインタビューのすぐ後に、ラズベリー賞のノミネーションの発表があった。『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』は、日本ではDVDスルーとなった『ズーランダー2』と最多を競って最低作品賞や最低主演男優賞などに軒並みノミネートされており、数々の賞に輝く(!?)ことが予想される。ちなみに、ベンは過去にバットマンのコミックの出版元「DCコミックス」のライバル社「マーベル」の『デアデビル』を演じて最低主演男優賞を獲得済み。今回再び受賞してしまうと「アメコミヒーロー失格!」の烙印がまた1つ増えることになるため、避けたいものだ。


 少々ベンがかわいそうになってきたので、ここで明るい話題もお伝えしたい。現在、日本ではベン主演の『ザ・コンサルタント』が公開中。バットマンを演じるために鍛えた筋骨隆々の身体がうまい具合に役立ち、言葉数が少なく無表情で銃をぶっ放す、謎の会計士クリスチャン・ウルフ役がハマり役と好評だ。本格的なアクション・サスペンス映画ではあるが、クリスチャンのキャラクターが絶妙に表現される、ほどよいロマンスや、すべてのパズルが解けるとホロッと感情に訴える場面もあり、様々な要素が色濃く詰まった1本である。アメリカ国内外でかなり高い評価を得ており、シリーズ化を求めるファンの声も上がっている。


 そして5月20日には『アルゴ』以来のベンによる監督作となる『夜に生きる』も公開される。原作はベンにとっての初長編監督作『ゴーン・ベイビー・ゴーン』の著者でもある、デニス・レへインのクライムサスペンス小説。この作品に惚れ込んだベンは、主演・監督・脚本・製作を兼任し、俳優陣には名優ブレンダン・グリーソンやクリス・クーパー、女優陣には旬のエル・ファニングやゾーイ・サルダナを起用している。


 ベンのバットマンデビュー作は成功したとは言えないものの、今年は再びバットマンを演じる『ジャスティス・リーグ』も公開され、ベンが主演・監督・脚本を務めるバットマンの単独映画も製作中だというから、挽回のチャンスもあるかもしれない。何と言っても、ベンはオスカー監督であり、脚本家なのだ。ベンの手にかかれば、ファンも納得するバットマンが期待できるのではないだろうか。(賀来比呂美)