ラリーで世界に挑む若手を支援するトヨタの『TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラム』に参加している新井大輝と勝田貴元、足立さやかの3名は、1月26~28日に行われたフィンランドラリー選手権(FRC)第1戦ラップランドラリーに参戦。3組とも完走を果たした。
このラップランドラリーはフィンランド北部のロバニエミを拠点に開催される伝統の1戦。走行エリアの大部分が北極圏内ということもあり、過去には氷点下35度というコンディションで争われたこともある。
2017年大会は氷点下1~3度というコンディションで行われ、昨年に続きフォード・フィエスタR5で出場した新井、勝田にとってはラップランドならではのコンディションを学ぶ絶好の機会となった。
新井/グレン・マクニール組は競技初日から安定した走りを披露し、SS9終了時点で総合5番手につけていたが、最終SS10で雪壁にスタック。5分のタイムロスとなり、総合10位でラリーを終えた。
一方、勝田/マルコ・サルミネン組はオープニングのSS1でステージ4位を獲得する順調な走り出し。しかし、SS2で雪壁にスタックして18分ものタイムを失ってしまう。
続くSS3~4ではマシントラブルに見舞われたが、その後は粘り強く走りきり総合20位でフィニッシュしている。
今年から育成プログラムに加わったコドライバーの足立さやかは、ドライバーのヤルッコ・ニコラとともにスバル・インプレッサWRXで参戦した。
ニコラ/足立組はSS1で最速タイムを記録し総合首位に躍り出たほか、SS8終了時点で表彰台圏内の総合3番手につける快走。
しかし、最終ステージ目前でフロントデフにトラブルが発生したため、ポジションダウン。表彰台獲得はならなかったものの、総合4位で競技を終えた。
新井は「ラリーカーに乗るのは久々だったので、感覚を取り戻すのに少し時間がかかりましたが、徐々に感覚が戻ってきました」と大会を振り返る。
「総合3位を獲得できそうなポジションにつけていたので、最終SSはとても残念でした」
「今回はラリー中に、いろいろとセッティングを変えて試したことも、とても勉強になりました。次回もこれまで得た経験を活かし、着実に進歩したいです」
また、勝田は「SS2でスノーバンク(雪壁)にスタックしてしまったことと、SS3~4でのエンジントラブルは残念でしたが、最後まで走りきり、雪上での経験値を増やすことができて、とてもよいトレーニングになりました」とコメント。
そして、コドライバーとして臨んだ足立は「ヤルッコ(・ニコラ)はとても速いドライバーで、彼の豊富な経験に助けられました」と述べている。
「初めての雪のラリー、長く、ハイスピードの状況下でペースノートを読んだことは大きな経験となり、4日間のレッキでヤルッコと表現の工夫をできたことも大きな収穫でした」
新井、勝田が挑む次のイベントは2月9~12日に行われる世界ラリー選手権(WRC)第2戦スウェーデン。WRC2クラスで世界のドライバーを相手に戦いを挑む。
ニコラ/足立組の第2戦は2月17~18日に行われるFRC第2戦バークナラリーだ。