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SUPER★DRAGONが語る、デビューへの道程と9人の個性「新鮮さを逆手に取って勝負したい」

2017年01月30日 17:43  リアルサウンド

リアルサウンド

SUPER★DRAGON

 2015年9月の結成以降、ダブステップやヘヴィロックを取り込んだエッジの効いたサウンドと、9人組ならではのフォーメーションを生かしたパフォーマンスで話題を呼んできたダンス&ボーカルグループSUPER★DRAGONが、デビュー作『1st Impact』を完成させた。


 今回の作品は彼らのこれまでを余すところなく網羅した、結成から現在までのベスト・アルバムといった雰囲気。グループとしての初パフォーマンスから、3度開催されたワンマン公演、2016年11月のCDデビュー、そして同年12月から本作のリリース直前まで続いた年上組のファイヤードラゴンと年下組のサンダードラゴンに分かれての武者修行ツアーに至るまで、ここに収められた楽曲のひとつひとつには、各メンバーやグループの成長がぎっしりと詰まっている。今回はそんな収録曲との思い出を9人に振り返ってもらいながら、ハイスピードで駆け抜けたデビュー・アルバムまでの道のりと、グループのこれからを訊いた。(杉山仁)


・「ひとりひとりのスキルの成長がよく分かる曲」(毅)


ーーついにデビュー・アルバム『1st Impact』がリリースされましたが、収録曲は結成してからこれまでのベスト盤という雰囲気になっていますね。それだけに、それぞれの曲に色々な思い出が詰まっているんじゃないかと思うんですよ。


毅:本当にそうですね。どの曲にも色んな思い出があります。


ーーそこで今回は、それぞれの収録曲の思い出を通して、これまでの活動を振り返ってもらえると嬉しいです。たとえば1曲目の「WILD BEAT」は、どんな思い出がある曲ですか?


玲於:「WILD BEAT」は歌も歌詞もない曲で、ダンスだけで魅せなきゃいけなかったんで、それぞれのポイントを作って魅せることを考えました。やっぱり、ダンスというのは……。


毅:早くも「WILD BEAT」じゃなくてダンスの話になってる(笑)。


彪馬:(笑)。そもそも、この曲はSUPER★DRAGONになって一番最初に披露した曲のひとつだったんです。それからも会場ごとにダンスの振りを変えたりして、それぞれがダンスでどう魅せるかを色々と考えました。


毅:そういう意味でも、今と結成当初ではパフォーマンスが全然違うと思いますし、ひとりひとりのスキルの成長がよく分かる曲ですね。


ジャン:2曲目の「HACK MY CHOICE」は僕がスパドラで初めてラップをした曲。それまで全然ラップをしたことがなかったから最初は苦戦しましたけど、ここで初めて「ダミ声」でラップをしました。自分のラップの原型を作ってくれた曲ですね。


ーージャンさんはラップをはじめて1年ちょっととは思えないほど上手いですよね。


和哉:ジャンくんは色んな方のフリースタイルを見て、すごく研究しているんです。


毅:スパドラの武器のひとつでもあるラップを特に引っ張ってくれていますね。


ジャン:トルコと日本のハーフでよかった。


洸希:それは関係ないでしょ(笑)。


毅:日本人だってダミ声はできるから!(笑)。


壮吾:次の「BAD BOY」は初めてMVを撮った曲で、自分たちでも特に好きな曲です。


毅:『EBiDAN THE LIVE』で披露したときにもお客さんが一番知ってくれていた曲で。そういう意味でもスパドラの代表曲のひとつだし、僕ら自身も思い入れが深い曲ですね。




颯:僕は普段は「BAD BOY」ではないですけど、パフォーマンス中は「BAD BOY」に見えるように意識しました(笑)。MVのダンスシーンで、僕がライブ中にもパフォーマンスをしたことがあるバック転を撮影することになって、それも思い出に残っていますね。


ーーこの曲はとてもスパドラらしい曲のひとつだと思いますが、スパドラの楽曲はどれもダブステップやヘヴィロックなどエッジの効いた要素と、サビのキャッチーな要素とが融合していて複雑ですね。エッジもポップさも同時に追究する必要があるというか。


壮吾:重低音の効いたロックだけど、攻めるだけで終わらないダンスグループである僕らにしか出来ないロックです。


ーーお互いにメンバーの成長を感じるところというと?


ジャン:やっぱり、洸希の歌。今はすごくかっこよくなっていると思うんですよ。あと、彪馬の即興の表現力。ファイヤーとサンダーに分かれてから再びクリスマスイブに一度集まったときに、「Ooh! Ooh! (Album Ver.)」でセクシーな表情でひとりだけジャケットを脱いだりして。


毅:会場中に歓声が沸いて、俺ら全員バック・ダンサーみたいになってた(笑)。


洸希:その後、ジャンくんと毅くんが「これは俺らもやろう」って話してたよね。


毅:そうそう。別の日にステージでやろうと思ったんですけど、結局僕はやらなかったんです。その結果、ジャンだけが全然キメのタイミングでもないところでひとりでやることになって、女の子がひとりだけ小さい声で「キャッ」って……(笑)。


ジャン:毅もやってくれよ! しかも、反応してくれた子、僕らじゃなくてMYNAME(マイネーム)さんのボードを持っていたという。いやー、悲しいですよ。


毅:自分はすべての経緯を知ってたんで、気の毒だなぁと思って見てました(笑)。



颯:でも正直、メンバー全員が成長して進化したと思います。特に年齢的にも成長期のサンダー全員の成長を強く感じますけど、僕はあえて挙げるなら毅ですね! 毅は本当に体力が付いたと思うし、それがダンスにも歌にもすごく表われていると思うので。


・「自分で作っていくことも大切」(玲於)


ーーでは、続いて4曲目「ZEN-SHIN-ZEN-REI」にまつわる思い出を挙げるなら?


楽:この曲はメンバー内オーディションでジャンくんと僕がソロ(ダンス)を出来ることになって、僕が初めてソロを踊りました。勝ち取ったからには、毎ステージごとに変化する姿を見せようと頑張りました。


ジャン:ほんと、楽のソロ・ダンスはすごいんです。


和哉:発想がすごい。あと、この曲って「振りを見せる」というよりは「気持ちを見せる」「魂で魅せる」という曲ですね。


全員:おおー(笑)。


洸希:次の「Ooh! Ooh! (Album Ver.)」は、スパドラの曲にヒューマンビートボックスのスクラッチを初めて取り入れた曲。ビートボックスを担当する僕とジャンくんと和哉で、どんな風にすればかっこよくなるかかなり話し合いました。


ジャン:洸希は本当にビートボックスのマニアで、暇があればイヤホンで聴いてるんですよ。周りはみんな曲を聴いているのに、洸希だけは新幹線で寝るときもビートボックス。


毅:今ではスパドラで一番ビートボックスが上手くなったよね。


玲於:あと、この曲って振りにカポエイラが入っているんですよ。最初びっくりしたよね? 格闘技を入れるのって斬新だなぁと思いました。


ーーそして6曲目の「BIG DIPPER」は、CDデビュー前にライブ会場限定のミュージックカードでリリースしていた曲の中でも、最初の楽曲のひとつでした。


毅:そうですね。スパドラが結成する前からあった曲で、今はワンマンでないとなかなかやる機会はないですけど、結成当初は代表曲でした。歌舞伎界の大物の市川右團次さんが声で出演してくださって、振り付けも歌舞伎のパートを作ってくださったので「聴いても観ても」歌舞伎っぽい曲になったと思うんです。明治座で直接教えてもらったときに右團次さんのオーラがすごくて、本当に貴重な経験でした。最近やってないから、またやりたいよね。


ジャン:また殺陣をやりたい。ライブでは剣の代わりに、ライトセーバーを使ったんですよ。


洸希:次の「Pendulum Beat! (Album Mix.)」は僕がメインボーカルをやらせてもらった曲。初めてでプレッシャーもあったし、「僕で大丈夫なのかな」と思ったんです。曲の中に〈みんなを笑顔に変えて〉というフレーズがあるんで、その雰囲気を出しつつ、自分なりの感情を込めました。


ーーこの曲はSUPER★DRAGONにとってのCDデビュー曲ですね。


毅:そうですね。アニメ『遊☆戯☆王ARC-V』のタイアップ曲になったのも何度思い返しても興奮します。




颯:軽快なリズムで、パフォーマンスしていても気持ちがいい曲ですね。


玲於:曲の中で、初めてサンダーとファイヤーに分かれて戦った曲でもあるよね。


毅:ああ、そうだ。


彪馬:僕はハモリをやったんですけど、そこも結構苦労したので知ってほしい(笑)。


洸希:(笑)。この曲の彪馬のハモリ、めっちゃ高いボーカルですごいと思うんですよ。


ーー「Pendulum Beat!」のサビにある強力な一体感は、彪馬さんのそんな苦労の賜物でもあったのかもしれませんね。


毅:それに、この曲はスパドラの曲の中でもかなりポップな曲だと思うんです。アニメのタイアップということもあって、最初に聴いたときはアニメっぽい曲だとも思ったんですけど、その中にもスパドラらしいエッジが効いていて、僕らの代表曲になりました。


壮吾:次の「The Survivor」は曲の途中でポイントとなる振り付けがあるんですけど、そこで色気を出すのをみんなで頑張ったよね。


玲於:そうそう。洸希は上手く腰が振れなくて、顔で頑張ってるんですけど……(笑)。


洸希:(笑)。表情の部分は、2015年の『WiNTER CARNiVAL in ららぽーと豊洲』のときの映像を見返したら、僕は表情が真顔で全然ダメだと気づいたんです。玲於くんのパフォーマンスがすごく表情豊かで、それを見習って表情に気を付けるようになりました。


毅:このエピソード、この間プライベートでも本気で熱く語ってましたよ。(真似をしながら)「本当に玲於くんのおかげで……」って(笑)。


全員:はははは!


颯:あの日は、気持ちが高まっていたのか分からないけど、登場するときに玲於がファンのみんなに「お前らぁ~! 何しに来たんだ~!」と言ってたのも面白かったですね。気合いを入れてステージに向かっていたら、玲於のおかげで爆笑しちゃいました。


ーー(笑)。他にお互いのパフォーマンスを参考にしたり、影響を受けたことはありますか?


和哉:この間ファイヤーとサンダーで分かれていたときに、僕と洸希と彪馬はジャンくんがやっているラップ・パートも担当したんですけど、ジャンくんがいつもやっているラップとの違いをすごく感じました。それでダミ声を真似したりもしましたね。


玲於:「HACK MY CHOICE」で仲間同士で腕を合わせる振り付けがあるんですけど、誰だったか……。全然違う絡み方にしていたことがあって。


和哉:たぶん、洸希と楽だと思う。


毅:そうだね。俺もファースト・ワンマンの映像を見返して「こんなことやってたんだ」って思った。


玲於:教えられたことだけじゃなくて自分で作っていくことも大切だな、と思いましたね。


・「しっとりした曲だからこそ表現力が問われる」(颯)


ーーここからは年下組のサンダードラゴンと、年上組のファイヤードラゴンに分かれての曲が2曲ずつ続きます。「INAZUMA」と「GETSUYOUBI」はサンダーの曲ですね。


彪馬:「INAZUMA」はファースト・ワンマンのときに披露させていただいたんですけど、5人の曲ということもあって、SUPER★DRAGONと比べて人数の少なさを本当に感じました。結成前からこの5人でいることもよくあって、「いつかみんなで曲をやりたいよね」という話もしていたんですよ。だから、それが現実になったのもめちゃくちゃ嬉しかったですし。それに、僕も初めてラップを担当したんです。色んな挑戦が出来た曲ですね。


楽:「INAZUMA」と「GETSUYOUBI」は僕と壮吾が初めてマイクを持った曲なんですけど、「やっぱり歌って難しいんだなぁ」と思いました。踊りながら歌ってる毅くんやジャンくんはすごいなぁって。


ーー毅さんとジャンさんがすごく優しい笑顔になっていますよ。


洸希:(笑)。「GETSUYOUBI」って、他の曲とテイストが違ってどう表現するかが難しいんですよ。僕はGReeeeNさんが好きなんで、聴きながら色々と参考にしたりもしました。


和哉:一週間の中でも学校や会社が始まる「月曜日」の応援ソングですよね。SUPER★DRAGONの曲はかっこよさを重視していますけど、この曲はそれとは違ってお客さんに呼びかける、元気になってもらうという表現の曲で、すごく難しかったんです。


壮吾:ライブでは表情も笑顔にすることを大切にしていますね。


ーーそして次に、ファイヤードラゴンの「MIKAZUKI」と「ARIGATO」が続きます。


ジャン:「MIKAZUKI」はファイヤーとして初めて披露した曲で、SUPER★DRAGONの曲ともサンダーの曲とも違うミディアム・バラードで。歌詞もダンスも、普段スパドラではやらないタイプのものでした。だからラップも、表現力に注意して練習しました。


ーーこの曲のジャンさんのラップは、ライブでもかなり感情がこもっていますね。サンダードラゴンの曲が元気で明るいという意味でSUPER★DRAGONの曲とは違うものになっていたのに対して、ファイヤードラゴンの場合は大人っぽくて、歌詞も葛藤しています。


毅:実はこの曲の歌詞は、裏テーマで「BAD BOY」に繋がっているんですよ。あと、ファイヤーの曲は、SUPER★DRAGONとはまた違ったスキルを磨かなきゃいけなかったので、自分的にはレコーディングもパフォーマンスも一番苦労しました。しかも、初めて披露したとき、僕は変声期の途中だったんです。やっと最近、ちゃんと表現できるようになってきましたね。2手に分かれてのツアーでも毎回披露して、また成長できる部分を感じました。


颯:しっとりした曲だからこそ表現力が問われるので、毎回曲前にはスイッチを切り替え感情移入して、頭の先からつま先まで全身で曲を表現するように心掛けていますね。


玲於:「ARIGATO」の方は、僕と颯が初めてマイクを持った曲です。そこで僕らも歌に意識がいって「もっとやりたい」と強く思うようになりました。僕は歌に苦手意識があったんですよ。この曲は、「MIKAZUKI」で表情を工夫したことも勉強になりましたね。




颯:僕たちは結成からずっとダンス部隊だったので、まず声が出るのかが一番心配でした。レコーディングまでにものすごく練習しましたけど、歌唱についてもっとトレーニングしたいという意欲を持たせてくれた貴重な曲ですね。



玲於:それにしても、ファイヤーの曲って、歌詞を見ると恋愛で2連敗しているんですよね。


毅:そうそう(笑)。


玲於:だから、そろそろ報われたい(笑)。「ARIGATO」なんて、未練タラタラ過ぎて逆に「ありがとう」って言ってる曲だし。


ーー(笑)。ファイヤーの曲もサンダーの曲も、それぞれがSUPER★DRAGONでは表現できないタイプの曲になっていると思うので、お互いに違う要素を鍛えてグループに戻ることができそうですね。


玲於:本当にそうですね。次の「hide-and-seek」は、仮面を使った振り付けがある曲。


ジャン:すごく面白い振り付けだよね。


毅:頭の中でストーリーが見えるような振りなんで、やっていてすごく楽しいんですよ。もちろん、他の曲にも歌詞にストーリーがあったりしますけどね。


和哉:MVもそうだよね。


ーー他にもまるで映画のようなドラマ・パートを加えて展開していくワンマンの構成や、毎回アイディアに溢れたイベントでのライブなど、ストーリーはSUPER★DRAGONの活動に欠かせない要素です。これまでのストーリーの中で、特に印象に残っているものは?


ジャン:それは「人生の中でのストーリー」ということですか?


洸希:そうじゃないでしょ(笑)。


毅:そんなのブログで書けよ!(笑)。


ジャン:(笑)。俺はサード・ワンマン『SUPER MISSION~Code Name:Stella~』のストーリーもすごく好きです(ウイルス駆除を目的とする特殊部隊SUPER★DRAGONが、ウイルス&ワクチンを巡って活躍する壮大なストーリー)。楽のなりきり感もすごい。あれは楽にしかできないと思うんですよ。


毅:でも、撮影は本当に大変でした。真夏の廃工場で、建物の中は40℃を越えていたので、帰りの電車は本当に天国でしたね。


ジャン:初めて(電車が好きでマニア級に詳しい)壮吾に共感したよね(笑)。


玲於:でもそのしんどさが、ストーリーに合っていたと思うんですよね。それもあっていいものになったんじゃないかな、と思います。


彪馬:僕は「BROTHERHOOD」のMVのストーリーがすごく好きです。メンバー以外の出演者がいるのは初めてだったし、9人で逃げる様子もすごく迫力があって。僕がある不思議な行動を取る場面がありますけど、ここも人によって解釈が変わると思うんですよ。何も知らないお客さんにはどんな風に見えるのかな、というのも面白いと思うので。


毅:答えはまだ言わないので、みんなにも考えてもらいたいです。


玲於:「BROTHERHOOD」は僕も好きなシーンがあるんですよ。壮吾の背後から襲ってきた敵をジャンが倒して助けるところがすごいカッコいい。ポケットに手を突っ込んで……。


ジャン:ああ。あれ、どうやって倒したんだろうね(笑)。俺は彪馬のために毅が囮になるところが好きです。曲のテーマでもある「友情」や「絆」が表現されていて。


毅:あのとき、お互いにファイヤーとサンダーそれぞれのサインを出しているんですよ。


ーーああ、なるほど! 今教えてもらって気づきました。


彪馬:「BROTHERHOOD」は僕と毅くんがメインボーカルですけど、Aメロのケロケロボイスのところも工夫しました。普通に歌ってもうまく効果が出ないんで、もっと目立たせるように自分の声で調整したんです。


・「みんながどんな曲を作るのか聴いてみたい」(ジャン)


ーー声の面でも、新しい可能性を試した曲だったということですね。14曲目の「+IKUZE+ (Album Ver.)」はどうですか?


壮吾:「+IKUZE+ (Album Ver.)」はライブでタオルを使って、みんなで一緒に楽しむ曲。ステージの一体感がすごく出る曲だと思うんです。


毅:結構初期にできた曲で、この頃の僕らはライブで「お客さんとの一体感を作る」ということに慣れていなかったんです。それですごく苦労したのを覚えていますね。自分たちの盛り上がってほしい気持ちをどう伝えたらいいんだろうと考えて、「ティッシュでも何でもいいから上げてくれ!!」って言ったら、本当にティッシュを上げてくれる人もいて(笑)。スパドラはライブで観客を煽ることが多いですけど、それをこの曲で勉強したと思います。


彪馬:今度、全員ティッシュでやってみる?(笑)。


ーーせっかくなのでロゴ入りオリジナルティッシュで……。


毅:ははは。それ、採用させてもらいたいです(笑)。


玲於:そういえば、「+IKUZE+」にはSUPER★DRAGONのタオルを全員で掲げるところがありますけど、初披露したときに、そこでジャンだけタオルの向きを間違えたんですよ。


楽:ジャンくんだけ逆になってた(笑)。


ジャン:(笑)「+IKUZE+」は最後ロックバンドのようにジャンプするのも好きで、ライブですごく楽しい曲ですね。


洸希:アルバムバージョンは、僕のスクラッチが加わって新しい曲のようになっているので、シングルバージョンと聴き比べてみてほしいです!


ーー最後は「KITTO→ZETTAI (Album Ver.)」ですが、この曲はファンへの気持ちが表現された曲になっていますね。歌詞の中で特に好きなところというと?


彪馬:〈キミと出会えたのは/偶然じゃなくて/運命なんだ そうだろ?〉と投げかけるところは、自分にも響きましたし、お客さんにも伝わってほしいと思うところですね。


洸希:あと、この曲は僕と彪馬がアカペラで歌っていますけど、これは本当に緊張しました。普段ステージの上で歌っているときよりもすごく緊張したレコーディングでした。


彪馬:この曲を初披露したのは2015年の『EBiDAN THE UNiON in ららぽーと豊洲』ですけど、僕がSUPER★DRAGONとして初めてマイクを持った第一声がこのアカペラだったんです。毅くんを見本にしたりして、とにかく研究しました。今に繋がるすごくいい経験になったんじゃないかと思います。


ーーグループの人気もどんどん出てきているところだと思いますが、みなさんは今の状況をどんな風に感じていますか?


毅:でも、これまで僕らは超特急さんやDISH//さんが作ってくれた道の上にいて、EBiDANの中の弟分として知ってくれた人たちがほとんどだと思うんです。だから、これからは僕ら自身がもっと頑張らなきゃいけないと思うし、これまでのEBiDANのグループとはやっている音楽性も全然違うので、EBiDANのファンの人はもちろん、音楽リスナーの人たちやロック・リスナーの人たちなど、色んな人の心を掴めるようになりたいです。それが出来て初めてスタート地点だと思うので。ロックバンド好きな方が急にダンスグループのライブを楽しむのは難しいと思われるかもしれませんが、その新鮮さを逆手に取ってスパドラで勝負していきたいんです。


ーー実際、SUPER★DRAGONのメンバーはそれぞれ色々な音楽が好きですよね。直近のブログでも毅さんがSuchmosやSTUTS、Jinmenusagiを紹介していて「本当に音楽が好きなんだなぁ」と思ったんですが、だからこそ色んな場所に広がっていけるといいですね。


毅:そうですね。ジャンは曲を作ったりもしてますけど、僕も今年は、SUPER★DRAGONやファイヤードラゴンの曲とは違うような曲を作ってみたいと思ったりしているんですよ。


ジャン:みんな作曲ができるようになったらいいですよね。それぞれ趣味が違うから、みんながどんな曲を作るのか聴いてみたいし(笑)。


ーー今回の1stアルバム『1st Impact』は、みなさんにとって大きな節目のひとつになったんじゃないかと思います。グループとして、これからどんな風に活動していきたいですか。


彪馬:今はSUPER★DRAGONならではの音楽やパフォーマンスを確立できるように頑張っている最中ですけど、ゆくゆくは色んな音楽をやってみたいとも思います。たとえば、今だったらサンダーは元気な明るい曲をやっていますけど、そこに1曲ファイヤーのような落ち着いた曲があったら、ライブを観てくれるお客さんをより引き込むことができるかもしれないですし。とにかく、色んなことに挑戦していきたいですね。


毅:和哉も「曲を作りたい」って言っているよね。


ジャン:洸希も「ビートボックスで作ってみたい」と言っているし。


毅:別に作詞作曲だけの話ではなくて、それぞれが個性を追究することでグループの魅力が増すようになればいいな、と思うんです。スパドラの軸がブレないことは大前提ですけど、「それぞれが別のことをして、SUPER★DARGONに戻ってくる」ということがクリエイティブにできるグループになれたら最強だなと思うので。


ーーこれまで長かったですか? それとも一瞬でした?


壮吾:僕の感覚ではすごく早かったです。もう1年以上経ったんだ、と思うので。


毅:でも、パフォーマンスを初披露したときのことを思い出すと2~3年ぐらい前にも感じるし、本当に不思議ですね。スパドラに入ってからこれまで味わえなかったような感覚を味わうこともできて、出会えて本当によかったと思うし、9人いることの意味も考えさせられたりと、本当に色んなことを考えた期間でした。先輩と共演させていただく機会も増えて、超特急さんやDISH//さんの偉大さもますます分かるようになったし、1万人規模の会場を埋めていく背中を近くで見させてもらえるのもすごく恵まれていました。それに、僕らはもちろんまだまだですけど、今は「この9人ならやれる」という気持ちはすごくはっきりしているんです。だから、これからも止まることなくみんなで成長していきたいですね。


(取材・文=杉山仁)