各国で盛り上がりを見せるTCR規定ツーリングカー選手権だが、そのドイツ国内シリーズである『TCRドイツ』の創設2年目となる2017年シーズンには、総勢32台のマシンがエントリー。そのうち半数近くを、まだデリバリーが開始されたばかりの『アウディRS3 LMS』が占めることが明らかになった。
最終的なエントリーリストはまだ明かされていないものの、TCRドイツによれば今季は13チーム、32台程度のマシンがグリッドに並ぶと予測されるという。
また、昨年のチャンピオンチームであり、セアト・レオンTCRとホンダ・シビック・タイプRを走らせたターゲット・コンペティションは、2台のシビックをキープしつつ、さらに4台のアウディRS3 LMSの追加投入することを発表した。
ドライバーにはトム・ローテンシュレーガー、ティム・ジマーマンのドイツ人ドライバーに加え、北欧出身のシモン・ラーソン、昨年のアウディTTカップで表彰台やポールポジションを獲得する走りを見せた23歳のポーランド人女性ドライバー、ゴシャ・レストが昇格。
残る2台のシビックにはユルゲン・シュマルとETCCヨーロッパ・ツーリングカー選手権王者のクリス・リチャードが座ることとなった。なお、2016年にドライバーズタイトルを獲得したジョシュ・ファイルズが残留するかはアナウンスされていない。
この4台の新型アウディRS3 LMSは、イタリアに本拠を置くターゲット・コンペティションのチームカラーであるシルバー&グレーをベースに、ブルーの差し色が入ったおなじみのカラースキームを採用。アウディスポーツから公式なサポートを得てタイトル防衛を目指すチームに相応しい仕上がりとなっている。
元ポーランド国内カート選手権王者でもある新加入のレストは「TCRドイツでは30人以上のドライバーと戦うことになる。いたるところでコンペティションの荒波に巻き込まれることになるわね。でも、それこそが望みでもあるし、7マニュファクチャラー以上の車種が参戦するシリーズで戦えるのは本当に楽しみだわ」と抱負を語る。
同じく、チームマネージャーを務めるマーカス・ゲメラーは「タイトル防衛こそが最大の目標」としながらも、活況のシリーズだけに注意すべき点があると付け加えた。
「我々の目標はチームとドライバーズのチャンピオンシップを守ることだけだが、30台以上のマシンと競うことになれば、DNF(途中棄権/リタイア)だけは絶対に避けなければならない。(ポイントの)取りこぼしは自らの首を絞めることにつながるだろう」
このターゲット・コンペティションのほか、TCRドイツではPROsportパフォーマンス、ジャーマン・フレイバーズ・レーシングが、それぞれ2台のアウディRS3 LMSを投入し、現時点で8台以上の参戦が確定している。
また、ハンガリーのチームであるLPウィナーが、韓国の新型『キア・シードTCR』をシリーズに投入する初のチームとして名乗りを挙げ、2台の投入準備を進めている。