世界ラリー選手権(WRC)の開幕戦モンテカルロで、新型WRカーでの初優勝を惜しくも逃したヒュンダイのティエリー・ヌービルが、母国ベルギーで6月22~25日に開催される人気イベント、イプルー・ラリーに改良型のヒュンダイi20 R5で参戦する。
昨年までヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)の1戦として開催され、シリーズを代表するラリーとして地位を築いてきたイプルーだが、今季からはERCを外れ、英国ラリー選手権(BRC)とツアー・ヨーロピアン・ラリー・シリーズの1戦として新たなスタートを切ることとなった。
同ラリーは、ERC時代から地元ベルギーのスタードライバーであり、昨年限りで現役を引退したフレディ・ロイクスが無類の強さを誇ったターマック・イベントで、地元ファンもベルギー人スターの参戦を熱望している。
イプルー・ラリーの主催者側委員でもあり、ヌービルの所属するヒュンダイ・ワールドラリー・チームのマネージャーも務めるアラン・ペナスは、このイベントにはWRCに参戦する“ベルギー人ヒーロー”の存在が不可欠である、と語った。
「この案件に関しては、(ヌービル本人からも)最終的な決断を得た」と、ペナス。
「ベルギーのラリーファンは、イプルー・ラリーでティエリーの走る姿を見たいと望んでいる。i20 R5はその参戦を実現するのに最適なものになるだろう」
「人々が想像する以上に、我々とイプルーにとってティエリーを連れてくることは非常に重要なんだ。彼は現時点でベルギーのトップドライバーなんだからね」
ヒュンダイは、昨年の同イベントでコースクリアのマーシャルカーとしてi20 R5をラウンチ。ケビン・アブリングとセブ・マーシャルにステアリングを託した。その後、i20 R5はWRCツール・ド・コルスとラリーGBにもテスト参戦を果たし、現在もアップデートを中心に開発作業が続けられているという。
「2017年のイベントにティエリーのドライブで(i20 R5が)参戦すれば、この新しいマシンの実力を示す良い機会にもなるだろう」と、ペナス。
ヌービル自身は、2011年にIRCインターコンチネンタル・ラリー・チャレンジの1戦に組み込まれていた同イベントに、プジョー207S2000でエントリー。しかし、1月19~22日に行われたラリー・モンテカルロと同様、サスペンション破損でリタイアに終わっている。