FIA代表のジャン・トッドは世界ラリー選手権(WRC)の観客に安全指導を徹底するべきだと語った。
1月19~22日に行われたWRC第1戦モンテカルロでは、オープニングステージでヘイデン・パッドン操るヒュンダイi20クーペWRCが横転。このクラッシュに巻き込まれたスペイン人の観客が亡くなる事故が起きている。
「悲劇的な1件だ。そして回避可能な事故だったと思っている」とトッド。
「我々はルールに従って行動するべきだと考えている。また、ルールが明示されていない場合も、互いを尊重していくべきだ」
「モータースポーツは、誰もが同じ考え方を共有して動かなければ危険なものになってしまう」
「事故で亡くなった方の遺族に心からお悔やみを申し上げる。また、ラリーに関わっている人々にも同情している」
「今後、WRCという最高峰のショーを見たいと望む人々には、この悲劇的事故から学んで欲しいと願っている」
「彼らには(安全対策の)教育が必要だと思っているし、それに従ってもらわねばならない。最悪の事態を避けるためにも、(安全指導を)受けて貰いたい」
FIAでラリーディレクターを務めるヤルモ・マホネンは、事故の原因はスピードアップを果たした2017年型WRカーにあるとの見方を否定している。
地元当局の捜査開始を受け、マホネンは「FIAとともに活動するすべての人々に伝えたい。『まずは落ち着いて捜査の行方を見守ろう』とね」とコメントした。
「そのあとに、我々にどのような対策ができるか議論したい」
「たしかに事故が起きたのは新型マシンのデビュー戦で、マシンのスピードは以前より向上している」
「今後、このスポーツに携わっていない人間を招いて議論を進めるつもりだ」
「この事故は新しいレギュレーションとは関係ない。よりスピードの低いグループNマシンでも同様の事故は起きていたはずだ」
事故現場近くにいたという観客のひとりは「救急車が到着するまで20~25分、その後にドクターヘリが到着するまで、さらに5分かかった」と証言している。
「(亡くなった)観客がいた場所には“立ち入り禁止”の看板などはなかった」
「(事故現場より)ひとつ手前のコーナーのほうが、より危険に感じられたし、もっと多くの観客が集まっていたよ」
なお、ラリー・モンテカルロを主催するモナコ自動車クラブは、当局による捜査が進んでいるとして、事故に関する新たな声明は発表していない。