レッドブルF1チーム代表のクリスチャン・ホーナーは、パワーユニットサプライヤーであるルノーの性能が、メルセデスの3パーセント以内に入ることができれば、チームは2017年のF1タイトルを賭けて戦えるだろうと考えている。
メルセデスは1.6リッターV6ターボハイブリッドシステムを2014年シーズンに先駆けて導入して以来、ライバルに対して圧倒的優位に立っている。しかし、ルノーもパフォーマンスを上げてきており、今季はメルセデスとのギャップをさらに縮めることが期待されている。
ホーナーは、2016年シーズン中のパワーユニットのギャップはおよそ35Kw、約45馬力で、パーセンテージに換算すると5パーセントを少し越えていたと述べている。
ホーナーは、このギャップを半減させれば、レッドブルは先頭で戦うポジションにつけるだろうと考えている。
「もし我々がV8を使っていた時のようにギャップを3パーセント以内に戻せれば、そこからトップを争えるだろう」とホーナーは語った。
「そして、願わくば安定性もあれば、我々はタイトルを獲得できるだろう」
しかし、ルノーのマネジングディレクターであるシリル・アビテブールは、馬力不足を3パーセントに縮めたからといって、レッドブルが自動的にタイトル争いできるとは限らない、とほのめかした。
「確かに昨シーズン彼らが3パーセント以内のギャップで戦っていたら、もっといい結果が出ていただろう。だが、それでもタイトルを賭けて戦うのに十分だったかどうか私には疑問だ」とアビテブールは語った。
「レッドブルが欲しいポジションは分かっている。我々はグリッド上で最高のパワーユニットを彼らに提供することにコミットしている。1パーセント以内のギャップなどという話ではなく、最高のものを提供する」
「それに、我々は将来メルセデスを上回ることができるような、技術的コンセプトのアイデアを多数持っていると思う」
ホーナーは、ルノーが2015年に性能と信頼性の問題に直面したことから、彼らが正しい方向に進めるよう支援することは非常に重要だと考えている。
「我々の課題は、ポジティブに変化するためのきっかけになった」とホーナーは語った。
「変化が起こり、年間を通じて、メリットが目に見えるようになった」
今年はレギュレーションが大幅に変更され、幅広いフロントとリヤウイング、タイヤを備えた、より速いマシンが登場する。
空力ルールの抜本的改革にも関わらず、ホーナーはパワーユニットが引き続き重要であることを確信している。
「マシンのダウンフォースが増大するため、ドライバーはより多くの時間をフルスロットルで走るようになるだろうから、パワーユニットはさらに重要になると言える」とホーナーは語った。
「可能性としてマシンの空気抵抗は大きくなるから、パワーユニットは重要な役目を果たすだろうが、多くのことがそうであるように、常にこのふたつのバランスが重要だ」
「ルールが安定するにつれて、うまくいけばパワーユニットも次の何年かで本当に安定するだろう」