SNSを使えば、世界中どこにいても知人に近況を報告しあえる。しかし便利な一方で、ネガティブな感情を刺激することもあるようだ。
ロシアの情報セキュリティー会社「カスペルスキー研究所」が1月12日、「ソーシャルメディアが人々に及ぼす影響」という調査結果を発表した。SNSを利用する42%が「友達が自分よりも多くの『いいね!』の数が多いと嫉妬する」と回答していることがわかった。
結婚、子供、旅行、休暇などのリア充要素に嫉妬
調査は2016年に、日本やアメリカなどを含む世界18か国の16歳以上の男女1万6750人を対象に実施。SNSを利用する理由として、「自分が楽しいと感じたこと」(61%)や「趣味」(54%)などが挙がっており、前向きな使い方をしようという姿勢がうかがえる。
だが「あなたが嫌な気分になった理由は何ですか?」という質問には、「迷惑な広告」(72%)、「誰かから『友達削除』された」(61%)、「自分の誘われていないパーティーやイベントに友達が行っているのを見た」(59%)の回答が上位を占めている。
さらに、共同通信は24日、日本で回収された1000人の回答を紹介。SNSで嫌な気分になった理由(複数回答)の1位は「他人が自分より良い人生を送っていることを知った(結婚、子供、旅行、休暇)」(54%)、2位が「迷惑な広告」(48%)、3位が「友達が楽しい休暇の写真を投稿した」(43%)となっている。日本人の半数以上の人が、他の人がSNSに投稿する楽しそうな状況を見て嫉妬を感じていることがうかがえる。
この調査結果に関して同日に2ちゃんねるに立ったスレッドでは、「まあリアルで成功したやつが知り合いにいると凹むわな 嫉妬はしないけどさ」といった声が寄せられた。たしかに、自分の人生が上手くいっていないときに友人のキラキラした様子を見るのは辛いだろう。
10人に1人が「いいね!」の数を増やすため事実を誇張するという調査結果も
一方で、わざわざ自分からSNSを見ておいて他人の投稿に落ち込むのはおかしい、という指摘もあった。
「他人の自慢話ほど鬱陶しい物はないってのにわざわざ自分から首突っ込んでそれを覗きに行くってんだから酔狂としか言い様がないわ」
「見なければいいだけなのにな」
ほかにも「『隣の芝生は青く見える』のは仕方ないが、『あのブドウは酸っぱい』とか言い始めたらダメだと思う」「嫉妬してる状態って惨めだから嫉妬しないようSNSは見ない、人と比べないのが一番」という書き込みもあった。
SNSは仮想社会での人間関係となるため、ストレスを抱える「SNS疲れ」も問題となっている。疲れているときなどは、SNSへのアクセスを控え、余計な神経を使わないようにすることも大切だろう。
ただ、SNSで羨ましいと思ってしまう投稿を見かけても、鵜呑みにする必要はない。カスペルスキー研究所が19日に発表した調査結果では、12%の人が「いいね!の数を増やすために、投稿内容を脚色したり誇張したりする」という回答が紹介されている。
またタイムカレントが2016年に発表したSNSに関する調査結果でも、54%の人が「フェイスブックに投稿する際に実態よりも盛ったことがある」と回答している。SNSで嫉妬しそうな投稿を見かけても、「ちょっと盛っているのかも」くらいに思っていいだろう。