富士でGAINERと初の本格的なテストに臨んだ吉田広樹。 1月24~25日の2日間、富士スピードウェイでスーパーGT車両がテストを行ったが、今季から新たにGAINERに加わり、富田竜一郎とともにGAINER TANAX GT-Rをドライブする吉田広樹が、初の本格的なテストに臨んだ。
吉田は2011年にサンダーアジアMT900MのドライバーとしてスーパーGT300クラスにデビュー。2012年には第3戦にサンダーアジア、そして第5戦鈴鹿にはtriple a vantage GT3の第3ドライバーとして起用され、実際にドライブする機会はなかったものの、吉本大樹、星野一樹とともに優勝を飾っている。
2014年からはRUNUP SPORTSに加わり、2シーズンに渡ってニッサンGT-RニスモGT3をドライブ。16年はGULF NAC PORSCHE 911をドライブし、17年は強豪GAINERに加入。ふたたびGT-Rを駆ることになった。
「今までもっていたGAINERのイメージは、ずっとトップを走っているし、チャンピオンを獲ったり、優勝も数多く見ている。憧れというか、一緒に仕事できたら嬉しいなと思っていました。実際にチームに入ってみて、スタッフさんの動きとかを見てもそれは伝わってきますね」と新たに加わったGAINERの印象について語ってくれた。
「でも実際に入ってみると、他のチームと比べてというわけではないんですが、外からの印象よりも中に入ると、オフのときはアットホームで接しやすい。敷居が高そうに見えるんですが、入るとすごく居心地がいいチームなんです」
富士でのテストは非常に冷え込みが厳しいなかでの走行となったが、GT-Rはこれまでも走った経験があるクルマ。ただ、RUNUP SPORTS時代に履いていたヨコハマと、GAINERが履くダンロップの違いで大きな驚きがあったようだ。「こんな時期にヨコハマで走ったこともないですから、結果だけでの感じですが」と断ったうえで、その違いを教えてもらった。
「もちろんセッティングの違いもあるとは思いますが。ダンロップはすごく曲がる。逆に言うとちょっとだけリヤが軽い印象なんです。ヨコハマはタテのしっかり感があり、リヤのロックやABSの入りかたもいい印象がありました」
「同じクルマなのに、こうもキャラクターが違うのかと驚きました」
GAINER TANAX GT-Rは、2015年には圧倒的な強さでチャンピオンを獲得したマシン。昨年はタイトル争いに加わることはできなかったが、捲土重来を期する1年となる。
「このクルマは実績もありますし、昨年表彰台に乗っているのも見ましたが、16年は勝つことはできなかった。今年はもう一度優勝をして、それをコンスタントに続けていけばシリーズもついてくると思っています」と吉田は目標を語る。
「まず、僕はスーパーGTで自分がドライブして表彰台に乗ったことはないので、表彰台、優勝、そしてチャンピオン争いをできるようなところで走れたらと思っています」
これまでキラリと光る速さをみせる印象があった吉田だが、GAINERに加わった今シーズンは“結果”が求められる年。大きなプレッシャーとの戦いに勝ってこそさらなるステップが見えてくるはずだ。