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TDP若手ドライバーに聞くレクサスRC F GT3「完成度はすごく高い」

2017年01月27日 21:12  AUTOSPORT web

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51号車レクサスRC F GT3は2日目にジェームス、プロジェクトμのロゴが増えた。
1月24~25日の2日間、富士スピードウェイでスーパーGT車両がテストを行ったが、ひときわ注目を集めたのが51号車レクサスRC F GT3。他のGT300車両と同じコンディション下で走ることはまだ珍しく、ブリヂストン装着車のそのパフォーマンスにはライバルチームも熱い視線を送った。

 今回のテストではINGING MOTORSPORTがオペレートし、ゼッケン51をつけて走行したRC F GT3。東京オートサロン2017でワールドプレミアされたばかりの車両だが、すでにゼッケン60番が富士でシェイクダウンを済ませていると言われており、51番はスーパーGTでの“2号車”だとされている。

 2日間のテストではこれまでTOYOTA PRIUS apr GTを長年ドライブしてきた中山雄一がステアリングを握ったほか、2015年のFIA-F4チャンピオンで、16年は全日本F3を戦った坪井翔もドライブした。トヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム(TDP)の若手ふたりに、RC F GT3の感想を聞いた。

「完成度はすごく高いと感じました」というのは中山だ。

「ブリヂストンタイヤを履いていたこともあり、限界値もプリウスの頃と近いと感じました。クルマも開発がしっかりと進んでいて、乗りやすかったです。走っていて『変だな』と感じるところはありませんでした」

 中山がこれまでドライブしてきたTOYOTA PRIUS apr GTは、コーナリングに優れるJAF-GTマシン。RC F GT3は大幅にモディファイされたレーシングカーではあるものの、市販車が根本にあるGT3カーだ。この違いについてはどうだろうか。

「プリウスに比べるともちろん重さはありますし、車高も高いし足回りも柔らかいです。昨年、アウディR8 LMSカップに出場させていただいたこともありますが(KCMGから上海戦に出場)、同じくGT3カーなので、あれに近い印象ですね。今日はひとりで走っていたので、他の人とコース上で絡んだときにどうなるかが楽しみです」と中山は言う。

「プリウスのときはシーズン中に開発を進める部分も多かったので、乗りにくいところもありました。でもこのクルマは完成していると思います」

 一方、坪井はこれまでフォーミュラを中心に戦っており、いわゆる“ハコ車”は16年に参戦したインタープロト程度だ。ただ、「重さは感じますが、思っていたよりもすぐに慣れることができました」と坪井は語った。

「クルマはすごく乗りやすいんですが、さすがに僕には他と比較する“物差し”がないのであまりコメントはしづらいですね(笑)」

 正式な体制発表はまだ待たなければならないが、もし仮に中山と坪井というコンビが組まれた場合、競争力は非常に高そうだ。坪井も「スーパーGTは出てみたいレースなんです。もしこのクルマで参戦することができるなら、乗りやすかったこともあるのでこれで戦ってみたいです」と語った。

「中山選手もGTの経験は豊富ですし、彼から吸収できることも多いと思う。チームメイトになることができたら嬉しいですね」

 現在の段階での噂では、60号車は飯田章/吉本大樹でヨコハマ装着、51号車は中山/坪井でブリヂストン装着と、どちらも強力な体制が組まれそう。2017年のRC F GT3の存在はライバルにとっても要注意かもしれない。