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モータースポーツからの思いが形に。『PRAY FOR ITALY』が四駆車をアマトリーチェに寄贈

2017年01月27日 16:02  AUTOSPORT web

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『PRAY FOR ITALY』のプレートを掲げるロニー・クインタレッリとアンドレア・カルダレッリ
2016年8月24日に発生し、298人が亡くなったイタリア中部地震。この地震が起きた後、すぐにスーパーGT500クラスに参戦するイタリア人ドライバー、ロニー・クインタレッリとアンドレア・カルダレッリのふたりが支援プロジェクト『PRAY FOR ITALY』を立ち上げたが、日本からの多くの支援がPRAY FOR ITALYを通じてイタリアのアマトリーチェに届けられた。

 16年8月のイタリア中部地震の直後、クインタレッリとカルダレッリのふたりはすぐさま行動を開始した。長年日本でキャリアを積んでいるクインタレッリは、2011年3月の東日本大震災の際にも、被災地支援のプロジェクトとしてチャリティ活動団体『ITALIANS for TOHOKU』を立ち上げ活動してきた。今回は逆に、日本からイタリアを支援するべく、PRAY FOR ITALYという支援プロジェクトを立ち上げたのだ。

 日本のモータースポーツ界を中心に大きな支援がPRAY FOR ITALYのもとに集まったが、1月21日、その集まった寄付金をもとに、自身で大きな被害を受けたアマトリーチェ市のセルジオ・ピロッツィ市長に、ピックアップトラックが1台贈呈された。

 このピックアップトラックは、ピロッツィ市長からの要望に応えたもので、一刻も早く街が元の姿に戻るために使われる。21日の贈呈セレモニーにはピロッツィ市長、在イタリア日本大使館の山内弘志次席公使、ITALIANS for TOHOKUとPRAY FOR ITALYの事務局長を務める服部浩巳さんの3人が出席。『PRAY FOR ITALY』、『GRAZIE GIAPPONE(ありがとう日本)』のボードとともに写真に収まった。今回贈呈されたトラックにもステッカーが貼られる。

「イタリアと日本ではここ数年来、地震に見舞われ多くの犠牲者が出てしまいました。2011年の東日本大震災ではイタリアの皆さんからたいへん多くの善意をいただきました。今回は、日本の皆さんからのお返しとしての気持ちを届けることができました」と語ったのは服部事務局長。

「街の状況を見ると、復興するまでにはかなりの時間が必要であると実感します。お互いに思いを寄せながら、日本とイタリアの復興のために少しでも継続して協力していきたいと思います」

 また、無事にトラック贈呈の報を受け取ったクインタレッリは「ようやくピロッツィ市長の要望に叶う4WDピックアップトラックを寄贈でき、とてもうれしいです。これは、日本の数多くの企業と皆さんの真摯な思いやりがあって実現しました。携わったすべての方々に心の底からお礼申し上げます」と語った。

「昨年8月24日にアマトリーチェで大地震があったニュースをいまも鮮明に覚えています。そしてその日、多くの日本人から、慰めやサポートのメッセージをいただきました。イタリアの皆さんが東北を支援したように『今度は我々がイタリアをサポートしたい』とほとんどの人が私に声をかけてくださいました。さっそく、最初のステップとしてアンドレア・カルダレッリ選手とスーパーGTの全選手とともに鈴鹿で、ビデオメッセージを収録しました」

「この日をきっかけにたくさんのイベントが行われ、アマトリーチェのために4WD車をプレゼントするだけの募金が集まったことをとても喜んでいます。そして、このクルマが日本からの支援の象徴になると確信しています。改めて皆さんからの支援に感謝します」

 アマトリーチェには、ちばてつやさんが描いた直筆の『あしたのジョー』のイラストも展示されているなど、日本からの支援も数多い。日本側は贈呈式の後、アマトリーチェの名物、アマトリチャーナソースのパスタを振る舞われた。