マクラーレン・テクノロジー・グループのエグゼクティブディレクター、ザック・ブラウンは、F1チームに予算制限を課すというコンセプトに賛成であると語った。ブラウンは現在、タイトルスポンサー候補との交渉を進めており、F1活動の予算はスポンサー獲得に大きく影響すると考えている。
以前FIA会長を務めたマックス・モズレーは、2010年に向け、新しいF1チームの参戦を促すための一環として予算制限を押し進めたが、最終的に実現しなかった。
それ以降も予算制限は何度か議題として取り上げられてきた。昨年末までマクラーレンのグループCEOを務めたロン・デニスは、予算制限は必要なのか、また実際に取り締まることが可能なのかを疑問視していた。
しかしザック・ブラウンは、予算が高すぎるせいでチーム数が減少することを防ぐためのこのアイデアに賛成しているという。
「私は予算制限を設け、チーム間の経済的格差のバランスを取ることを強く支持している」とブラウン。
「毎年マノー(のように破産申請をするチーム)が出るというのは全員にとって健全でない」
「ロータスは(ルノーに)1ドルで売られた。サッカーやバスケットボールでチームが1ドルで売られるなどという話を聞いたことがない。彼らはビジネス面でうまくいっているからだ」
「我々は支出を減らし、収支を合わせ、誰もが金を稼げるようにしなければならない」
ブラウンはマクラーレン加入当初から、2018年にはチームにタイトルスポンサーをもたらしたいと述べている。マクラーレンチームは、ボーダフォンが2013年末で離脱して以来、タイトルスポンサーなしで活動している。
F1のコストが上がっていることで、大型スポンサーがもたらす資金に期待できる度合が変わってきていると、ブラウンは述べている。
「1年前にロンが『もはやタイトルスポンサーなどというものは存在しない』と発言したが、彼が言ったのは、かつてレースの経費の半額を支払ってくれたようなタイトルスポンサーのことだ」とブラウン。
「コストが上昇したため、予算の半額を支払ってくれるようなスポンサーは今はない。1億5,000万ポンドのタイトルスポンサーなど存在しない」
「タイトルスポンサー自体は存在するが、F1の価値に限界がある。コストの基準が価値を上回っている、というのが現状だ。我々は金を使いすぎている」
リバティ・メディアがF1買収手続きを完了し、メルセデスでチーム代表を務めたロス・ブラウンがスポーツ担当マネジングディレクターに就任した。
ロス・ブラウンはコストの問題を解決したいと考えているが、チームとF1とは2020年までの契約をすでに結んでいるため、支払いのシステムを変えるのは難しいと語った。
「我々はたくさんの目標を掲げていくが、小規模チームが自分の力で活動していけるようにすることがそのひとつだ」とロス・ブラウンはBBC Radio 4に語った。
「チームへの分配金の問題がある一方で、レースに出場してそれなりの力を示すにはコストがかかるという問題もある」
「分配金に関しては、商業上の契約を見直すまでの今後数年はほとんど手をつけられないだろう」
「しかしチームのコストに関しては、それを安定させるための有効な材料を商業権保有者は持っている」