就職活動の現場ではいかにして説得力のある志望動機を用意するか、ということが重視されているが、そもそも志望動機は必要なのだろか。1月24日、ある人物がツイッターに「面接で『何故弊社でなければならないのか』と聞くのはやめた方が良い」と投稿した。
「本当に採用面接で『何故弊社でなければならないのか』って聞くのはやめたほうが良い。別に御社じゃ何くてもいいんです。お金が欲しいだけなんです。いくらでも変わりのある会社のくせに自惚れるのはやめて下さい!」
この投稿に賛同する人や採用側の事情を説明する人が多数出現。トゥギャッターでもまとめられて盛り上がりをみせている。
「ぶっちゃけなんでって金もらうために仕事してるしな!」
「なぜ弊社でなければならないのか」、「なぜ弊社を志望したのか」――面接では必ずと言っていいほど頻繁に聞かれる質問だ。もちろん明確な志望動機を持って面接に臨んでいる人もいるだろう。
だが就職活動では、何十社もエントリーするのが当たり前だ。大して志望しているわけでもない企業を受けることもある。そんななかでいちいち「弊社を志望した理由」を聞かれるのは正直面倒くさい。
先のツイートはこうした心情を的確に表したものなのかもしれない。「労働基準法守ってて給料もそこそこならなんだっていいわ」といった賛同の声が相次ぐことになった。
「特に気にしても居ない会社のためにいちいち口説き文句考えるのほんとだるいんだよ」
「志望理由なんかねーよ!何社目だと思ってんだ!!このやろー!!」
「特殊な職種とか以外はそうだよな! ぶっちゃけなんでって金もらうために仕事してるしな!」
そもそも企業が他社と差別化できていないという声もあった。
「『御社の一番の強みはなんですか?』って聞いても『それ他の会社でも同じような事言ってました』みたいな話しか出てこないんだからどっちもどっちよな」
採用担当者は「社交辞令的なまともな返答」ができるか見ているだけ?
一方で、企業側も別に本心からの志望動機を期待しているわけではない、という声も多数ある。「もっともらしいことを見繕って言える力がある人を採用したくて聞いてるんじゃないかな」というのだ。
「建前と本音の違う社交辞令の返答もできないやつはいらないってことなんじゃないの」
「気の利いた嘘をつく能力を求めている、ということなんでしょう」
中には、「会社側とて、『内定出したのに蹴られたら困る』ので、蹴らなさそうかどうかの一環として聞いてると考えると早いよ。この質問に何かしら答えられる程度には会社を調べたりするのに時間使ってるってことだし」と親切にマジレスしてくれる人もいた。
採用担当者と思われる人からの書き込みもある。
「採用してる側ですが、求職者と会社のマッチングのために確認しています。合わないなと思ったらすぐ辞めてしまうのは、会社も当人もデメリットでしかないです。少しでも弊社のことを魅力に思った人がいいなって思います」
「私も先日面接みてましたけど、弊社を選んだ理由を聞いてるんじゃなくて、まともな返答できるか見てましたね」
こうした採用担当者の書き込みを読む限りでは、やはりその会社のことをある程度理解しているか、また本心でなくともそれなりの返答ができるかどうかを探りたいということだろう。
ちなみに投稿主は、ドイツでWeb系エンジニアとして働いているにもかかわらず、このツイートのせいで無職だと勘違いされたという。
「私は機転の効かない漢字すらまともに書けないだめ無職ということになりましたのでここにご報告いたします」
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