入社初日から有給休暇が付与されるようになるかもしれない。1月24日、政府の規制改革推進会議の人材ワーキング・グループ(以後、WG)で、年次有給休暇について労働基準法を改正すべきという意見がまとまった。その後、厚生労働省に示される見込みだ。同日に朝日新聞が報じた。
新入社員が風邪で1日休んでも欠勤扱いにならない
現行法では、「雇い入れの日から6か月経過していること」「その期間の全労働日の8割以上出勤したこと」の2つを満たせば、10日間の有休が付与される。その後1年ごとに1日ずつ付与日数が増え、6年半で上限の20日間に達するという仕組みだ。
そのため、就・転職で入社したての人は有休がないため、病気や親の介護などで欠勤した場合、その分の給料が減ったり仕事上の評価に影響したりするなどの状況が生じていた。
こうした現状に対して人材WGは、「勤務期間が短い労働者は不利に扱われる」と判断。「転職して不利になる仕組みについては円滑な労働移動を促す観点から、見直す必要がある」とし、労基法の改正を検討するに至った。
改正案として、勤務開始日に1日、以後は1カ月ごとに1日ずつ増やし、7カ月目にさらに4日を付与して、「勤務開始日から6か月超で10日」となる案が考えられている。ネットでは、「仕事始めの半年は何がなんでも休めないって感じが少なくなりそうだ」と歓迎の声が挙がる。
「たしかに突然の体調不良やその他諸々で急に休まなければならないことはあり得る。その際に入社したばかりだからという理由で不利になるというのはあまりにも使用者優位である」
「前から働いてる人にメリットがない 先に有給消化義務案出して」
しかし一方で「まずは仕事覚えろよ」と異を唱える人もいる。
「そもそも権利以前にある程度働き先に貢献してから有給取ろうとか思わないのだろうか 働いて有給つかないのは問題だが本来使えないやつに休みやる道理なんてないわ」
だが、そもそも有休などあっても使えないという人たちからは、「そんなことより有給なにそれおいしいの、状態をどうにかせい」「取らせてくれない有給なんてもらったところで意味ないやん」といった悲痛な叫びが挙がっている。
政府は2020年までに有給休暇取得率70%を目標に掲げているが、2015年の調査では47.6%と遠く及ばない。今回の改正案は勤務期間が短い人を優遇するものだが、長く働いている人からは、
「入社半年未満を転職しやすくして前から働いてる人に何のメリットもないとか、私は理解に苦しみますね先に有給消化義務案出して、どうぞ」
という皮肉も寄せられていた。