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関ジャニ渋谷、TOKIO山口、キスマイ横尾、セクゾ佐藤……2017年テレビで活躍期待のメンバーたち

2017年01月25日 17:52  リアルサウンド

リアルサウンド

 今回は、2017年最初ということで個人的に注目、期待したいジャニーズについてふれてみたいと思う。


 まずは、冠番組の充実が目立つ関ジャニ∞のなかから渋谷すばるを挙げたい。


 歌、ダンス、笑いといった多彩なエンターテインメントを誰にでも楽しめるようわかりやすいかたちで提供するのがテレビの大きな役目だ。だが同時にマニアックな面白さを求められるのが、いまのテレビでもある。


 わかりやすさとマニアックさ。この二つを両立することはなかなか難しい。そうしたなか、関ジャニ∞の『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)は、その点で成功している数少ない番組のひとつだろう。


 この番組では、ミュージシャンやプロデューサーなどプロの音楽関係者をゲストに、さまざまな音楽ジャンルや曲作りなどの秘密がかなり詳しく掘り下げられる。関ジャニ∞のメンバーは、あるときにはひな壇での聞き役、あるときにはミュージシャンとのコラボ演奏でそうした音楽のマニアックな魅力をわかりやすく伝える。ジャニーズグループの冠番組は多いが、音楽を前面に出した番組は少ない。その意味でも貴重な番組である。


 そこで存在感十分なのが、渋谷すばるだ。もともとシンガーとしての評価も高い渋谷だが、番組中ゲストとのコラボで歌うときなどにはその力量が遺憾なく発揮されている。昨年2016年は、2月にカバーアルバム『歌』をリリースし、全国ソロツアーも行った。アルバムには、RCサクセション、サザンオールスターズから宇多田ヒカル、松田聖子の曲まで幅広く収録されている。そこには、彼の歌心とともに、『関ジャム 完全燃SHOW』のコンセプトとも通じるものが感じられる。渋谷には、今年はオリジナル曲も含めて音楽番組でのいっそうの本領発揮を期待したい。


 一方、ジャニーズが、芸能以外の分野で才能を発揮して視聴者を驚かせる場面もますます増えている。そんな“実技系”の筆頭が、言うまでもなくTOKIOである。『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系)では、大都会新宿に生き物と共生する街を自分たちの手でつくろうという新企画「新宿DASH」も昨年末スタートし、ますます目が離せない。


 そうしたDIY的企画の中心にいつもいるのが、山口達也である。DASH村やDASH島での農作業や大工仕事で見せる、本職かと勘違いしてしまうような鮮やかな職人技は、いまやよく知られるところだ。


 その山口、MC担当の番組を複数抱え、個人活動の幅を着実に広げている。今年はぜひその点にも注目したい。


 そのひとつ『幸せ!ボンビーガール』(日本テレビ系)の昨年秋放送のスペシャルでは、鹿児島で民宿開業を目指す女性を手助けに行き、竹を切り出して囲炉裏の自在鉤をつくるという離れ業で視聴者を驚嘆させた。これなどは『ザ!鉄腕!DASH!!』の技がそのまま生かされた例だが、そればかりではない。


 朝の情報番組『ZIP!』(日本テレビ系)では、メインパーソナリティとして生放送の番組をそつなく仕切る上手さ、また中高生の悩みなどを取り上げる番組『Rの法則』(NHK Eテレ)では、十代のさまざまな意見を聞いたうえで適切に話をまとめる手際の良さと、MCとしての基本能力の高さを見せてくれる。『Rの法則』などは、そこに彼ならではの頼れる兄貴感もにじみ出て、山口の魅力を伝える好番組になっている。


 同じ“実技系”の注目株として、もうひとりKis-My-Ft2の横尾渉を挙げたい。


 舞祭組の一員としても活躍する横尾は、さまざまな失敗エピソードからポンコツキャラとしていじられる存在だ。だがその分、意外性を感じさせるふり幅の大きさが魅力にもなっている。


 そのひとつが『キスマイBUSAIKU!?』(フジテレビ系)などで披露し、「水回りの横尾」という異名まである料理の腕前だが、最近はそれ以外にも『プレバト!!』(TBS系)のなかで俳句の才能も発揮して周囲を驚かせている。


 特に俳句については、自ら関連の書物を読み、勉強して上達するプロセスがわかるところがポイントだ。本来言葉に対するセンスもあるのだろうが、そこには彼の努力家の一面が垣間見える。


 努力による成長はアイドルの持つ本質的な魅力だが、それを俳句というまさに意外な分野で見せてくれるところに横尾渉の他にはないユニークさがある。その愛されキャラとしての一面とともに、実はいまのテレビバラエティに最も向いているジャニーズのひとりではなかろうか。その適性が、今年はさらに発揮されることを期待したい。


 もちろん、努力による成長だけがアイドルの魅力ではない。男性アイドルには王子様的魅力が求められる面もある。その意味で今年期待したいのが、Sexy Zoneの佐藤勝利だ。


 グループとしてのSexy Zoneは、『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)に4年連続出場を果たすなど実績を重ねているが、メンバーのソロ活動も活発になってきた。


 佐藤勝利で言うと、ここ数年はソロ公演をSexy ZoneとA.B.C-Zによるコンサート『Summer Paradise』の場などで行うことが恒例になっている。そうしたなか、昨年2016年の公演では、舞台上から本人が初めて茶髪にしたことを告白し、ファンのあいだで大きな話題になった。黒髪のイメージが強かったこともあるが、「髪を染めた」というだけでニュースになるというのも彼の持つ王子様的魅力を裏付けるものだろう。


 ただ、彼の魅力は、キラキラした王子様的な部分だけでない。それに加えて、ふとした瞬間に感じさせる哀愁の魅力による部分も大きい。それは、かつての郷ひろみなどを彷彿とさせる。そうしたジャニーズアイドルの最も良質な面を継承するひとりが、佐藤勝利であることは間違いない。


 彼も昨年20歳となり、成人を迎えた。3月には、映画初出演にして初主演となる『ハルチカ』の公開も控えている。それをきっかけに、彼がドラマでもよい企画に巡り合うことを願いたい。


 こう見てきても、時代の変化とともにジャニーズの活動もいっそう多様化している。そのなかで、どんなジャンルで誰がどのような活躍をするのか、期待しながら見守っていきたい。(太田省一)