F1の新CEOとなったチェイス・キャリーは、F1が過去5年にわたって伸び悩んでいることから、リバティ・メディアは新マネジメント体制を早急に構築することになったと述べた。
リバティは23日の夕方にF1の買収手続きを完了させ、同日バーニー・エクレストンはフォーミュラワンのCEOのポジションから退いた。
後任はキャリーが務めることが決定、メルセデスF1チームの元代表であるロス・ブラウンがモータースポーツ担当取締役に、ESPNで販売・マーケティング担当上級副社長を務めたショーン・ブラッチスが商業担当取締役に就任した。キャリーはこの人事によって、停滞が続いているF1の再活性化を狙うと述べた。
「特に過去4年から5年の間、F1ビジネスもF1スポーツ自体も、その可能性において最大限のところまでは成長していないと感じた」とキャリーはF1のボスとして初のインタビューで、Sky Sports Newsに答えて言った。
「新しい体制を構築して、F1スポーツが必要な形で今日の世界で成長できるようにする必要があった。また、ビジネスパートナーと連携し、このスポーツのすべてがファンのためにできるだけ、あるべき姿になるようにしなければらない」
「ショーンとロスのふたりは、全般的にF1スポーツを発展させるという、非常に重要な役割を担っていると思う」
キャリーは、F1経営陣の新しいメンバーたちはリバティにそれぞれ違う強みをもたらすと言い、特にブラウンはF1の競技面に関して大きく貢献すると考えている。
「現時点でも素晴らしいスポーツだ。ドライバーたちは象徴的なスターだし、マシンはパワーや技術との組み合わせでまさに人々を魅了する」とキャリー。
「しかし我々はF1スポーツを正しい方向へ継続的に向上させる必要がある」
「そしてロスはこのスポーツの仕組みを誰にも負けないほど理解している」
「彼は、このスポーツのすべてを、可能な限り、そしてあるべき姿で軌道に乗せるにはどうすべきかということに焦点を置いている」
■「エクレストンを心から尊敬。今後もF1ファミリーの一員」
一方キャリーは、前任者エクレストンを“心から”尊敬していると語った。
エクレストンは新たに名誉会長の職に就くことを明かし、その直後にリバティはそれを正式に認めた。今後もエクレストンにはアドバイスを求めていくとリバティは述べているものの、彼が直接的に関与することはなくなるものとみられる。
「はっきりさせておきたい。(エクレストンへの)尊敬の念は心からのものだ」とキャリーは語った。
「バーニーは大きな称賛に値する人物だ。過去数10年にわたってビジネスを成長させ、現実的にそのビジネスは80億ドル(約9,030億円)を生み出した。誰もが見ることができる、彼が生み出した価値の究極の証だ」
「彼はF1ビジネスに対して独自の洞察力を持っていて、おそらく誰よりもよく理解している。彼のアドバイスはとても有益なものになるだろう」
「今まで彼はとても助けになってくれた。これからも彼の助言をもらえるのを楽しみにしている」
キャリーは、86歳のエクレストンは新しいポジションに慣れるまで苦労するかもしれないと認めた。
「バーニーは成人してからの人生の大半でこの(F1の)ビジネスを運営してきた」とキャリーは語った。
「変化は彼にとって難しいものになるだろうし、乗り越えるべき課題になるだろうと私は理解している」
「彼はいつまでもF1ファミリーの一員であり、いつでも歓迎する。私はこれからも彼がF1の一部であると感じられるように努力をしたい」