2月27日から開始されるF1シーズン開幕前のプレシーズンテストにおいて、ウエットコンディションを想定した走行テストが行われることとなり、各チームが新設計された2017年型ウエットタイヤの経験を確実に積む機会を得たことになる。
ピレリは、メルセデス、レッドブル、フェラーリの3チームが用意した2015年型マシンのモディファイ版を使ったウエットコンディションのテストを追加で実施する許可をすでに得ているが、各チームからは新たなウエットタイヤでの走行をプレシーズンテストで行いたいとの要望が挙がっていた。
全チームによるウエットタイヤでの走行は、2月27日から3月2日まで予定されている2017年最初の合同テストで実施され、4日間行われるテストの最初の3日間で雨が降らなければ、最終日に散水車を使いウエットコンディションを再現する予定となっている。
これにより、2017年よりウエットコンディションでのセーフティカー先導後のスタートがスタンディング方式に変更されるという新レギュレーションのシミュレーションを全チーム、全ドライバーが行う機会を得た。
開幕前のプレシーズンテストでウエットコンディションを想定した走行を行うことがレギュレーション上義務付けられてはいるが、散水車による人工的なウエット路面では、正確なシミュレーションは困難とされていた。
加えて、各チームは2016年までウエットタイヤに関する充分なデータを有していたため、ウエット路面を想定したテストに丸1日を費やすことに乗り気ではなかった。
だが、2017年に新設計され、トレッドが拡大されたウエットタイヤのパフォーマンスはこれまでと大きく異ることが想定されており、ウエットコンディションにおけるインターミディエイトタイヤとフルウエットタイヤの切り替えのタイミングなど、ラップタイムに関わる部分も大きく異なるとみられている。
ピレリF1代表のポール・ヘンベリーは、シーズン中のフルウエットタイヤのパフォーマンスの変化を予測した。
「2017年に取り組むべき課題はウエットタイヤになるだろう。特に、ウエットコンディション下でのスタートシステムが変更され、スタンディングスタートとなったために、タイヤのウォームアップにかかる時間の短縮に取り組んでいる。これが2017年の主要な開発領域となる」と述べた。