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Sexy Zone 菊池風磨の“愛情表現” マリウス葉とのコミュニケーションから探る

2017年01月25日 07:02  リアルサウンド

リアルサウンド

Sexy Zone

 ドラマ『嘘の戦争』(フジテレビ系)に出演中のSexy Zone 菊池風磨は、見習い詐欺師という役どころを演じているが、当の本人は嘘がつけない性格だ。楽しければ大きな口をあけて笑い、納得がいかなければ唇を噛む。


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 曲がったことが嫌いで、今どき珍しいほどの男気溢れるキャラ。昭和風に描くなら、草でもくわえてそうなガキ大将っぷりである。曲げられない芯があるために、デビュー当時は葛藤する姿をファンは見守ってきた。よく言えばアーティスト気質だが、アイドルとしてはリアル過ぎる部分もあり、応援する身としてはハラハラする場面も多い。


 そんな菊池も最近はかなり大人になった印象。おそらくソロ曲で、自ら作詞・作曲を手がけることによって、内に秘めた感情が歌という形で昇華できるようになったのではないか。また、Sexy Zoneというアイドルだからこそ表現できることも、見つけられたように思う。


 しかし、まだまだガキ大将な一面を覗かせる場面も。それが、ラジオ番組での菊池だ。特に、マリウス葉と一緒にいるときは顕著にあらわれる。1月23日放送の『Sexy ZoneのQrzone』(文化放送)では、菊池とマリウスが登場して、お互いの近況報告がなされたのだが……。


 お正月にスイスのアルプスでスキーを楽しんだというマリウスに対して、菊池は「ちょっと帰ってくるのが遅かったな」「実家のドイツに帰るのはわかるけど、スイスとイタリアって関係なくない?」「なんか余分に楽しんできたよな」と詰め寄る。マリウスが、あたふたしながら言い分を主張するも、菊池は言い終わるのを待たずに「以上、近況報告ゾーンでした」とバッサリ打ち切ってしまうのだった。


 一見すると、あたりの強いイジりでハラハラする。だが、これが菊池の愛情表現なのだ。嘘がつけないぶん、彼の好きの裏返しは無関心。関わりを持つことそのものが愛情表現なのだが、決してダイレクトに「好き」とは言わない。菊池の行動を見ると、文豪・夏目漱石が「I LOVE YOU」を「“月が綺麗ですね”とでもしておきなさい」と意訳したという逸話を思い出す。まさに菊池も「男がペラペラと好きとか言うかよ」と、言いそうである。


 漱石の「I LOVE YOU」が「月が綺麗ですね」なら、菊池の「I LOVE YOU」は「バカヤロー」や「キモいんだけど」なのだ。そしてマリウスも、菊池のトゲのある態度に腹を立てながら、他のメンバーが菊池の家に泊まった話を聞くと、ジェラシーのかたまりになるほど、菊池が好きなのだ。そんなマリウスの「I LOVE YOU」は「風磨くんなんて大っ嫌い」なのかもしれない。


 当人同士だけの「I LOVE YOU」は、ときにストレートな愛の言葉よりグッと掴まれてしまう。ふたりの間にだけ「I LOVE YOU」に変換されるコミュニケーションがあるということだ。菊池とマリウスのやりとりは、ふたりの愛情表現のラリーになっているのだと思って温かく見守っていきたい。(佐藤結衣)