元F1ドライバーのデレック・ワーウィックは、レースの魅力を増すためにブルーフラッグの運用を廃止し、ペナルティの付与を緩和すべきだと考えている。
ドライバーズ・ブリーフィングで長時間にわたる議論が行われ、遅いマシンに阻まれることが多いとの声がドライバーたちから出たことを受け、2017年シーズンから、進路を譲るべきマシンのステアリングに青いランプを点滅させ、事前に警告を与えるという規定が追加される。
同時に、ドライバーたちの間ではコース上のアクションに対して課せられるペナルティが多すぎる、という不満も高まっている。
ブリティッシュ・レーシング・ドライバーズ・クラブ(BRDC)会長で、FIAのスチュワードも務めるワーウィックは、現行の規定ではペナルティの対象となるような行為を、ドライバー自身が対処することにすれば、レースの面白さが増すと考えている。
「レギュレーションの改定は、グリッド上位のマシンのために行われた」とワーウィックは言う。
「ドライバーズ・ブリーフィングでチャーリー(ホワイティング)に話をしたドライバー、例えば(セバスチャン)ベッテルや(フェルナンド)アロンソ、(ジェンソン)バトンは、みんな経験豊富で完璧なレース運びのためにベストな環境を求めるドライバーばかりだ」
「ブルーフラッグや、ドライバーが受けるペナルティについて、強く要求を出してきたのは彼らなんだ。だが我々としては、グリッド下位のマシンをどう助けるかについても考える必要があるんだ」
「私としては、ブルーフラッグの運用そのものをやめ、不要なペナルティをなくすべきだと考えている。以前のように、より予測困難なレース展開を可能とする方向に戻し、その時にバックマーカーをどう抜くかは、ドライバーたちの判断に任せるべきなんだ」と考えを述べた。
「ペナルティに関する規定を緩和することで、ルイス・ハミルトンなどの、ブルーフラッグを無視されたとて、それを超越する走りが可能なドライバーがのびのびと走る機会が増えるのなら、ドライバーたちは嬉々としてアグレッシブなアクションを披露するだろう」
「そうなれば、ファンもレースを観戦するためにサーキットに足を運ぶようになるはずだ」
ワーウィックは、F1が「あまりにも普通」で「あまりにも健康的で安全」になってしまったと言い、マシンの安全性を下げるつもりはないが、彼らがもっと激しく戦えるようにしていきたいと付け加えた。
ワーウィックは、2017年シーズンもドライバー出身のFIAスチュワードとして、引き続きその役割を果たしていくと述べた。
「今年は4つのレースを担当する予定だ」
「チャーリーからは、開幕戦のオーストラリアGPを担当してほしいと打診された。新レギュレーションを適用する最初のレースで、ちょっとした波乱が予想されるからね」と明かした。
「開幕戦が待ち遠しいよ。この仕事で報酬はもらわないが、私は楽しんでいるし、F1に貢献できる機会があるというのは幸運なことだと思っている」
「スチュワード・ルーム(審査委員室)は面白いところで、膨大なデータが集まっているんだ。ブレーキ圧、ステアリング角度、ストレートとコーナリングのスピードなどだ。それらの情報を瞬時に見ることができる」
「部屋にいるエンジニアがすべての記録を取っているので、我々は何かが起きたときにすぐに確認できるんだ。コース上とオンボード、合わせて60台あるカメラを通じて、我々は個々のアクションを分析できるというわけだ」