トロロッソF1チームの代表を務めるフランツ・トストは、F1はレース週末の日曜朝に、シミュレーターによるレースイベントを導入すべきとの考えを述べた。
F1はここ数年、週末をよりエキサイティングにするための新たな施策を模索しており、2016年に大不評を買い、わずか2戦で撤廃となった時限式ノックアウト予選の導入など、観客増加を目指し試行錯誤を重ねている。
フォーミュラEは、いくつかのラウンドでイベントの一環として、レーシングシミュレーターを使ったレースを開催している。また、1月7日には、シリーズに参戦しているドライバーと予選を勝ち抜いたプロゲーマーたちが100万ドルの賞金を賭けシミュレーターで競う大規模なイベントをラスベガスで開催した。
トストは、F1への関心を高め、新しい観客層へアピールするために、日曜のスケジュールにフォーミュラEと同様の取り組みを追加することが必要だと考えている。
「我々は週末のショーそのものを向上させるべきだ」とトストは語った。
「たとえばゲームなど、若者たちの関心があるものを導入しなければならない。もっと関心を高めるため、日曜の朝に世界中の人々が参加できるシミュレーターレースを放送するのも良いだろう。それは、新たな関心を惹くことができるはずだ」
「若い人たちはマシンにさほど興味が無い。だから、彼らをF1の現場に連れてくる方法を考えなければならない」
トストは、各国のプロモーターもファンへメッセージを伝える仕事をもっと上手にこなすべきだと述べた。
「プロモーションは、もっと早く始めるべきだ。おそらくレースの3,4カ月前辺りかな。ドライバーを何人か連れてきてサイン会やデモランを行うんだ」と、トスト。
「空港に来ても、今週末にF1があることがどこにも掲示されていないようでは台無しだ」
「F1は特別だ。原則1つの国に、1年に1度しかない。何か例外的で、唯一無二なものを売り込まなければならない。それができれば、人々はサーキットへ行くだろう」
トストは、チケットを購入したファンに対し、プロモーターはサーキット外でのエンターテイメント向上に努める必要があると考えている。例として、アメリカGPの開催期間中に行われたテイラー・スウィフトのコンサートを挙げた。
「ファンタスティックなプログラムを観客に提供する必要がある」と、彼は言った。
「オースティンの主催者は素晴らしかったと言わざるを得ない。なぜなら、コンサートのためだけに7万から8万人が来場し、主催者は『F1レースもあるから、ちょっと見てみよう』と言ったのだ」
また、開幕戦が行われるオーストラリアGPについても触れ「私はオーストラリアのメルボルンが好きだ。家族とアルバートパークに来ることができるからね。歴史的なマシンを見て、新車を見て、素晴らしいレースも見ることができる。これも多くの人々が求めていることだ」と付け加えた。