現地1月22日、世界ラリー選手権(WRC)第1戦モンテカルロは全行程を終了。復帰初戦に臨んだTOYOTA GAZOO Racingはエースドライバーのヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が2位表彰台を獲得する好走をみせた。
競技最終日のデイ4は、モナコ北部の山岳路が舞台。過去にも上位ドライバーが脱落するなど波乱の展開が多かった難所、チュリニ峠を含むSS14~17の全4SS、走行距離53.72kmが予定されていた。
しかし、このうちSS16は観客が集まりすぎ、安全確保が難しいとしてキャンセルされたため、3SSのみで争われることとなる。
前日、ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)の後退で、総合3番手に浮上していたラトバラは、デイ4オープニングのSS14でステージ2位を獲得する好走。
続くSS15では、前を走るオット・タナク(フォード・フィエスタWRC)がエンジン周りにトラブルを抱えて失速したため、総合2番手に浮上した。
最終SS17をステージ6位で走りきったラトバラは、総合2位のポジションを維持してフィニッシュ。トヨタのWRC復帰戦を表彰台で飾ってみせた。
「トヨタのWRC復帰戦を総合2位という想像もしていなかったような結果で終えることができて、本当に嬉しく思う」とラトバラ。
「僕のラリー・モンテカルロでのベストリザルトは総合2位だけど、新しいチーム、新しいマシンでふたたび総合2位を獲得できたことを誇りに思うよ」
20日のデイ1でデイリタイアしたユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)は、総合16位でフィニッシュ。ポイント圏内には入らなかったものの、ボーナスポイントを獲得できるパワーステージのSS17でステージ3位を獲得して、ドライバーズランキングでポイントゲットを果たしている。
ハンニネンは「トヨタのWRC復帰戦で2台のヤリスWRCが完走を果たし、しかもそのうちの1台が2位でフィニッシュし表彰台に上がったことを本当に嬉しく思う」と喜びを語った。
チーム代表を務めるトミ・マキネンは「今回のラリー・モンテカルロは自分たちの期待をはるかに上回る、素晴らしい結果だ」と開幕戦を統括する。
「我々は経験豊かなチームではないが、今週末は完璧に近い戦いをすることができた。今年のモンテカルロはSSの路面コンディションが一定ではなく、厳しい戦いとなったが、ドライバーたちはうまく対応してくれた」
「競技中、ヤリ-マティ(・ラトバラ)のマシンにはセンサートラブルが発生していて、彼はコース上で1度エンジンが止まってしまったら、再スタートできない可能性を抱えながら走り続けていた。素晴らしい仕事をやり遂げてくれたよ」
「我々にとっては良き船出となったが、課題も沢山残っている。今後も、さらに開発を進めていく」
次戦のWRC第2戦スウェーデンは、2月9~12日開催。コース全体が雪と氷に覆われた本格的なウィンターラリーだが、雪上でも速さを発揮する特殊なスノータイヤを装着して争われるため、シリーズのなかでも屈指の高速イベントとなる。