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乃木坂46 齋藤飛鳥、白石麻衣の新作は何を示唆? ソロ写真集で“視覚化”される個性と現状

2017年01月23日 07:02  リアルサウンド

リアルサウンド

齋藤飛鳥ファースト写真集『潮騒』

 乃木坂46より齋藤飛鳥が1月25日に1st写真集『潮騒』、白石麻衣が2月7日に2nd写真集『パスポート』を発売する。


 これまで乃木坂46はグループとして2冊、個人では白石麻衣、西野七瀬、橋本奈々未、生田絵梨花、生駒里奈、高山一実、昨年グループを卒業した深川麻衣の7名が写真集を発売している。写真集はメンバーそれぞれのイメージや個性を分かりやすく視覚化したものの一つだ。限りなくプライベートに近い環境の中で撮影される写真の数々は、テレビやステージでは見たことのない表情を浮かべている。乃木坂46にはメンバー一人ひとりにスポットを当てた映像コンテンツ「個人PV」も存在するが、彼女たちの一瞬一瞬を切り取った写真の連続から物語を想像することでその世界により没入できる、という点に写真集の魅力があると筆者は感じている。


 地元大阪で撮影された西野の1st写真集『普段着』は、とてもリラックスした表情、飾らない等身大の姿が映し出されている。同じ故郷で撮影された生田の1st写真集『転調』は、幼少期を過ごしたドイツのデュッセルドルフへ13年ぶりに里帰りを兼ね行われた。幼い頃に撮った写真と同じ場所で撮影したものや、生田の父親が写り込んでいるカットもあり、輝きに満ちた彼女の笑顔には惹きつけられる力がある。


 また、それぞれの写真集につけられたタイトルは、メンバーの個性や現状、グループにおける立ち位置を表した最たるものでもある。生田の『転調』というタイトルには、クラシック音楽の国・ドイツにて普段見ることのできない素顔や大人びた表情を垣間見ることができるという意味で冠されたものであるが、写真集が発売された2016年1月当時は乃木坂46が『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)に初出場した直後であり、生田はミュージカル『リボンの騎士』で主演を務めるなど女優の側面でも“転調”し始めていた時期でもある。中でも、橋本の1st写真集『やさしい棘』は彼女のパーソナリティーがよく表された写真集だ。タイトルを題した秋元康は写真集の帯に「橋本奈々未には隙がない」とコメントしているが、筆者が発売当時取材した記者会見(参考:乃木坂46・橋本奈々未、写真集『やさしい棘』について語る)にて橋本が「今回の写真集は柔らかい、明るい感じの部分を撮ってもらおうと思って挑んだんですけど、結果的にこの表紙のように全然明るい優しい感じではない、どちらかと言えばクールな感じになっていて。いくら私が明るく柔らかく振る舞おうと、こういう部分は出てしまう部分だな、こういうところが私にとっての棘っていうところなのかなって思いました」と考察していたのが忘れられない。


 改めて、齋藤の1st写真集『潮騒』、白石の2nd写真集『パスポート』も彼女たちの現在の立ち位置をよく示している。昨年、『裸足でSummer』でセンターを張った齋藤は、3期生が加入した乃木坂46をフロントメンバーとして牽引する存在に。白石は、専属モデルを務めるファッション誌『Ray』にて3号連続で単独表紙を飾るなどソロとしても大きく飛躍している。秋元が『潮騒』には、「危うさと強さ。齋藤飛鳥は、大海に浮かぶ小舟のように揺れている」、『パスポート』へは「白石麻衣はもう、どこへでも行ける」とコメントしているのが顕著だろう。未だタイトルは未定ではあるが、橋本の卒業当日である2月20日にはアメリカ・ニューヨークで撮影されたラスト写真集が発売される。今後、発売される写真集にどのようなタイトルがつけられるかにも注目すると、メンバーの個性や立ち位置、グループの現状が見えてくるだろう。(渡辺彰浩)