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「レジミスして4000円払わされた」――コンビニバイトで多発する違算金の自腹補填、法律違反になる可能性も

2017年01月21日 12:02  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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レジを閉めるときに計算が合わないと、不足分をアルバイトに負担させる「違算金」問題。たかが数千円の支払いでも、アルバイトにとっては小さな金額ではない。違算金を負担させられそうになったらどうすればいいのだろうか。

「鬼ショックー。レジミスしてもたー。自腹で五千とんでった」

近年、ブラック企業が社会問題として周知されるようになり、ブラックバイトにも注目が集まっている。数十万円もの自爆営業など、世間の耳目を集めるような事件の陰で、ひそかにまん延しているのがレジの金額が合わずに不足分を補てんさせられる「違算金」の問題だ。

ツイッターには、「レジミスして4000円自腹」、「レジ誤差マイナス2000円出してしまったから自腹で払った」などの書き込みが大量にみられる。

「自分が一切触れてないレジで誤差出た時に自腹出させるのも死ねって思う そんなことさせるならプラス出た時俺にくれよ…」
「鬼ショックー。 レジミスしてもたー。 自腹で五千とんでった。きっつ。笑」
「レジ金が合わなくて確認不足だったからって自腹切らされるので腹立ちすぎて新しい仕事場に応募した!!!!」

大手コンビニチェーンの本部では、レジの不足金をアルバイトに補てんさせないように加盟店に指導しているところもある。こうした指導が各店舗で守られればよいのだが……。

弁護士は「強要罪になる可能性」を指摘

首都圏青年ユニオンの山田真吾事務局長によると、こうした違算金問題はコンビニや飲食店で特に多いという。支払わされる額が数千円程度になることも少なくない。

数千円なら大した金額ではないと思われるかもしれないが、時給1000円弱のコンビニのアルバイトなら数時間分に匹敵する。学業の合間を縫って学費や遊興費を稼いでいる学生にとっては、かなりの痛手なのではないか。

こういった違算金の問題は、被害者が「そういうものだと思っている」ために、表面化しないことが多いという。

もし違算金を支払うように言われたら、どうすればよいのか。

「やはりその場で支払ってしまわないことが一番大切です。もし支払ってしまった場合もいついくら支払ったのか記録しておくと役に立つでしょう」

日本労働弁護団の佐々木亮弁護士も「違算金を支払う必要はない」と断言する。

「会社は利益が上がってもそれを全て労働者に還元するわけではありません。なので、ミスや損失の責任を労働者に負わせることもできません。賃金から天引きした場合は、労働基準法違反ですし、支払いを強いれば強要罪に該当する可能性もあります」

佐々木弁護士も「支払いを断ること」が最も大切だという。しかし自分で対応するのが難しい場合は、労働組合に相談するのがいいとする。

「労働組合に相談して、労働組合が店舗に一言『アルバイトに違算金を支払わせることはできない』と伝えればすぐに解決することがほとんどです」

大した金額ではないからと支払ってしまったり、「そういうものだ」と泣き寝入りしてしまったりするのではなく、労働組合に相談するなどして対応していってほしい。

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