韓国の起亜(キア)自動車は、今月初旬にアメリカ・ミシガン州で開催された北米国際自動車ショーでラウンチした新型FRスポーツセダン『スティンガーGT』を、2018年からヴァージン・オーストラリア・スーパーカー(VASC)シリーズに投入する計画を練っていることが明らかになった。
この新型スポーツサルーンの『スティンガー』は、キアが満を持して投入するEセグメントの4ドアセダンで、BMWやアウディをベンチマークに開発したと意気込む自信作。そのテストにはドイツ・ニュルブルクリンクでの走行も含まれ、キア史上最速モデルともうたわれる。
ロードカーの標準モデルには最高出力255PS、最大トルク360Nm程度の2.0リッター4気筒直噴ターボを搭載。トップモデルの『スティンガーGT』には、最高出力370PS、最大トルク520Nm程度を発揮する3.3リッターV6ツインターボも用意されるなど、まさに“S”や“M”を仮想ライバルとした設定となる。
プラットフォームも最新のものとなり、FRを基本にオプションとして4WDも設定。サスペンションはフロントがストラット、リヤが5リンクとなり、電子制御のダンピングコントロール式ダンパーを装備。FRは電子式LSD、4WDはトルクベクタリング機構まで備わっている。
これまで長年にわたりアイデンティティでもあるV8エンジンにこだわってきたVASCは、2017年シーズンからV6エンジンや直列4気筒も許容する『Gen.2』と呼ばれる規定に本格移行。V8エンジンを持たないマニュファクチャラーにも広く門戸が開かれることとなった。
シリーズの地元となるオーストラリア・起亜のCOOであるダミアン・メレディスは、地元メディアに対し、昨年末にもVASC参戦に向けた計画があることを明かしていた。
「まだ詳細は言えないが、現在はひとつのグループを相手に2件の話し合いを持っている」と、レディス。
「しかし、彼らに対しても言っていることだが、我々からは2017年にニューモデルが発表されるまでは詳細な交渉を始めることはできない……と伝えていたんだ」
この話し合いの相手として、もっとも可能性が高いのが、先日ボルボとのファクトリー契約を解消したギャリー・ロジャース・モータースポーツ(GRM)で、彼らは2017年シーズンでのボルボS60の使用をあきらめ、ホールデン・コモドアVFへのスイッチを発表したばかり。
キアとしても新規定採用の2017年に間に合わせる可能性を模索したようだが、新型車のスケジュールとの兼ね合いで、デビューは早くとも2018年にずれ込むこととなったようだ。