F1ウエットタイヤ向上のため、ピレリに対しシーズン前に追加でテストを実施する許可が下りた。
大雨のなかで行われた2016年ブラジルGP決勝で、ウエットタイヤに対して多数のドライバーから批判が集まり、その性能に改めて注目が集まった。
ウエットタイヤの性能に対する関心が高まっている理由のひとつは、今年からウエットコンディションでのスタートに関する規則が変わることだ。ウエットコンディションのためにセーフティカー先導の下でレースが始まった場合、今までとは異なり、セーフティカーがピットレーンに戻った後、スタンディング方式でスタートが行われる。
こういった要素を踏まえ、ピレリはシーズン開始前にウエットタイヤの改善を進めるため、ウエットタイヤ専用のテストを行えるよう働きかけていた。
今週火曜日にジュネーブでF1コミッションの会合が行われた後、ピレリに対してその要望どおり、2017年シーズン開幕前に、1台のマシンを使用してウエットコンディションでのテストを追加実施することが認められたことが分かった。
2日間にわたるテストでは、昨年、2017年仕様タイヤのテストのためにフェラーリ、レッドブル、メルセデスが用意した2015年型車のモディファイ版1台を利用する模様だ。なお、テストが行われるサーキットについてはまだ確定していない。
ピレリのモータースポーツ・ディレクターであるポール・ヘンベリーが先週明かしたところによると、作業の目的は主にエクストリームウエットタイヤの特性向上になるという。インターミディエイトタイヤについてはよいフィードバックが得られているということだ。
「今シーズン中に取り組むのはウエットタイヤのみになるだろう。特にスタンディングスタートの関係で、ウオームアップにかかる時間を短縮しようとしているんだ」とヘンベリー。
「これが、今シーズン中に開発を行う領域となる」
「インターミディエイトの特性は今のままにしておくよう要望を受けている。だからエクストリームのウォームアップタイム短縮に力を注ぐ」
「オーバーステアの状況でマシンがよりコントロールしやすくなるようにする。こういったことに今、取り組んでいる」
F1コミッションはまた、ウエットタイヤのテストの他に、2017年シーズン中に25日間のタイヤテストを行う計画も承認した。このテストには少なくとも8チームがかかわることになる。さらに2018年仕様タイヤの準備を進めるため、シーズン終了後に1日か2日テストを行うというプランも認められた。