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メロディー・チューバックが語るデビューへの決意「歌手になることを諦めたことは一度もなかった」

2017年01月20日 13:22  リアルサウンド

リアルサウンド

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メロディー・チューバックが、1月25日にデビューミニアルバム『Melody』をリリースする。彼女は、現在短大の声楽科に通う19歳。これまでにはTVアニメの挿入歌を担当したり、「天才てれびくん」の出演など幅広い活動を行ってきた。そのなかでも自身が表舞台に立って活躍する歌手への夢は揺らぐことなく、今回デビューを掴むこととなった。今回のインタビューでは、メロディー・チューバックが音楽に触れたきっかけから、今作に収録されたそれぞれの楽曲について、歌へのスタンスなどじっくりと話を聞いた。(編集部)


「声の幅が広がったことで、より豊かな表情が出るようになった」


ーー音楽とのつきあいはどんなふうに始まったんでしょうか?


メロディー・チューバック:その昔、父はベース・プレイヤー、母は歌手だったので、2歳の頃にはもう母に教えられた英語の歌を歌ったりしてました。記憶にはないんですけど、当時のホーム・ビデオを見るとそんな姿があります。


ーー娘の名前をメロディーにするほど、音楽好きの一家なんですね。


メロディー・チューバック:お腹にいたときから、父母の奏でる音楽を聴いて育ったんだろうなと思います。


ーー楽器のトレーニングを受けたりはしましたか?


メロディー・チューバック:物心つくかつかないかの頃、母からピアノの、父からギターの手ほどきを受けて、小学生になってからどちらも教室で習うようになりました。中学の部活の弦楽部では、バイオリンを3年間。


ーー好きなアーティストはいましたか?


メロディー・チューバック:小学生の頃、いきものがかりが大好きでした。初めて買ったCDは『YELL/じょいふる』。「YELL」のキャッチーな曲と、思いが伝わる真っ直ぐな歌声が素敵だなと。歌い方は少し影響されてると思います。


ーー将来は歌の道に進みたいと思ってましたか?


メロディー・チューバック:最初にレコーディングの仕事をしたのが4歳。そのときのことはほとんど憶えてないんですけど、楽しかったという記憶だけはありました。母が歌の仕事をしていることも当時すでにわかってたので、自分もやりたいと思ってた気がします(笑)。


ーー子供番組で歌ってた時期もありましたよね。


メロディー・チューバック:はい。NHK教育テレビ(天才てれびくん)です。スタジオの仕事と違ってテレビは華やかなイメージがあったので、出られてうれしいという感覚はありました。同時に、ずっとそこにいられるわけじゃないということもわかってました。一緒に出演してた仲間たちが、ある時期卒業していくのも見てましたし。心のなかで「今は子供としてこの番組に出てるけど、大人になったら大人の世界のテレビに出られる歌手になりたい」と思ってました。


ーー子供心ながらいろいろと考えていたんですね。アニメの挿入曲を歌うなど、順調にキャリアを重ねていたように思えますが。


メロディー・チューバック:歌の仕事はちょこちょこと途切れることなくやってたんです。ただ、声だけで、私自身が表に出ることはなかったので、「早くデビューして表舞台に立ちたい!」と思ってました(笑)。その思いが燃え尽きることはなかったですね。


ーーその後、短大の声楽科に進み、現在も在籍中とうかがってます。それを選んだのは?


メロディー・チューバック:本格的にクラシックを歌うことはやってなかったし、声楽をやれるとも思ってなかったんですけど、大学の進路を決めるときに、行くならやっぱり音楽系しかないなと。高校2年からクラシックの勉強をし始めたので、追いつくのが大変だったんですけど。


ーーポップ・フィールドで活動していくうえでも、役に立つ発見があったりしますか?


メロディー・チューバック:あります。正解のないポップスと違って、クラシックでは声をこう響かせるというカタがある。それを実践すると、これまで使ってきたノドとは全然違う場所を使っている感覚になりますね。「筋トレしなさい」ともよく言われます。体がちゃんと使えてないと、きちんとした発声もできないという考え方。いわゆるノドで歌わないということなんです。そういう訓練をしていくうちに、ポップスを歌うときノドが疲れなくなった。というか、歌いやすくなりました。ポップスは基本的に地声、声楽は完全にファルセット。でも、その中間の声っていうのもある。それが出るようになりました。


ーースゴい進化ですね。


メロディー・チューバック:声の幅が広がったことで、より豊かな表情が出るようになった気がします。


「いろんな活動をしてきて、やっと今、夢のスタートラインに立てた」


ーー結果的にいい時期のメジャー・デビューとなったわけですね。しかも、1枚目にして自らの名前がタイトル!


メロディー・チューバック:この名前をつけたのは、父母も私に音楽をやってほしいと願ったからだと思うんです。その思いがあったから、今の私がいる。だから、自己紹介となる1枚目はやっぱり『Melody』だなと。逆にそれ以外思いつかなかったです(笑)。


ーーオーバーチュア的なタイトル曲「Melody」は、声だけの多重録音。声楽に取り組んでの成果が出ているのでは?


メロディー・チューバック:だとうれしいです。オープニングとなるこの曲には声楽の要素を入れて、他とは違う感じにしたかったんです。全編ファルセットで同じ音をいくつも重ね、ハーモニーを作りました。ちょっと神秘的な響きになったらいいなと思って。


ーーリード曲「I promise~誓い~」は、今うかがってきたメロディーさんの歩みが凝縮されているような曲ですね。


メロディー・チューバック:いろんな活動をしてきて、やっと今、夢のスタートラインに立てました。持ってるものを大切にしながら、もっと高い目標に向かっていきたい。そんな決意を歌った自分自身への応援歌なんです。


ーー〈失いながら この手で掴んだもの〉とありますが、いわゆる挫折感を味わったこともありましたか?


メロディー・チューバック:歌手になることを諦めたことは一度もないんですけど、学業との両立などいろいろと難しいことはありました。友だちとの時間が少なくて、寂しく感じたことも。でも、代わりに得たものも大きかった。こうしてデビューすることもできましたし。


ーー〈I believe in myself〉と、ずっと思ってきたんでしょうね。


メロディー・チューバック:小さい頃からやってた歌の活動は無駄じゃないと、信じてました。ただ、気持ちは強くても、なかなかうまくいかず焦った時期もありました。


ーーそうだったんですね! 「Umbrella」も素敵なバラード。メロディーさんも作曲で参加してます。


メロディー・チューバック:ベースになる曲に対して、メロディのもっていき方や大サビの展開など、意見を出させていただきました。


ーー曲作りは楽しくなりそうですか?


メロディー・チューバック:そうですね。曲になったときの達成感を味わうと、もっともっとと思うようになります。


ーー普段からメロディを溜めたりしてますか?


メロディー・チューバック:思いついたときに鼻歌を録っているので、iPhoneには数秒単位のメロディの欠片がいっぱい(笑)。今後それらを膨らませて、曲のカタチにしていければなと思ってます。


ーー「FRIDAY」では英語で作詞も。この英語が早口じゃなくて、一語一語がしっかり耳に入ってくるんですよね。そこがすごく新鮮。


メロディー・チューバック:聴いてくれる人から「英語はムリ!」と思われないように、中学生でもわかるくらいのシンプルな英語を目指しました。そのうえで、伝えたいことがしっかり伝わる言葉を選ぼうと。


ーーモータウン・ビートが効いた可愛い曲だなと思いました。


メロディー・チューバック:物語の設定は小学生くらい(笑)。両思いの子がひとり遠くに行ってしまうんですが、「ずっと好きだし、ずっとそばにいるから、大丈夫。笑顔になって」という歌です。


「ていねいな歌い方を自分のスタイルにしていけたら」


ーー今回カバーしているチャーリー・プースの「Marvin Gaye」もそうですが、この「FRIDAY」や「Love You ベイビー」もオールディーズの匂いがしますね。そこは意識してたんですか?


メロディー・チューバック:いえ、意識はしてなかったです。「Marvin Gaye」はもともとお気に入りでしたし。たぶん、そういう曲が好きなんだと思います。大人の人たちが「懐かしい」と思うオールディーズも、私からすると「新しい。カッコいい!」という感覚(笑)。


ーー大人である私は、若者がオールディーズ風の曲を歌っているのが新しいと思いました(笑)。メロディーさんの音楽は、きっと世代が違っても共有できるものなんですね。「Marvin Gaye」は、妹のアンジェラさんとの姉妹デュエット。


メロディー・チューバック:あの曲をふたりでハモってるところをインスタグラムに上げてたら、フルで聴きたいという反響がすごくあったので、ぜひ入れたかったんです。


ーーメロディーさんにとって妹さんの存在は?


メロディー・チューバック:3つ離れてるのに対等にライバル視してくるから、以前は毎日のようにくだらないケンカをしてました(笑)。でも今は、なんでも言い合える親友という感じです。


ーー歌に関して、お互いがいい刺激になってますか?


メロディー・チューバック:はい。歌詞の意味を一緒に考えたり、うまく歌えない箇所があれば、「こう歌うといいんじゃない?」と歌いながらアドバイスし合ったり。ふと気づくと母が加わってることも(笑)。


ーー歌声にあふれた家なんですね。


メロディー・チューバック:1階で妹がピアノを弾きながら歌い始めると、2階でギターを弾いてた父が降りてきてハモって、そこに私も母も加わるなんてこともしょっちゅう。ごちゃ混ぜの家族セッションです(笑)。妹とのカバーは、これからもどんどんインスタにアップしていきたいですね。


ーー「桜、ひらり」は、これからの季節にぴったり。


メロディー・チューバック:「こらから離ればなれになるけど、お互い成長してまた会おう。それまで頑張ろうね」という卒業ソング。家族や恋人など、大切な誰かと離れなければならない人にも、ぜひ聴いてほしい1曲です。


ーーさて、メロディーさんは、歌うとき何を大事にしてますか?


メロディー・チューバック:歌詞の物語や意味を自分なりにとらえて、それがストレートに伝わるよう曲の世界に入り込んで歌うということ。これは常に意識してます。あと、歌詞をハッキリと発音すること。


ーーわかります。言葉をていねいに歌う人だなと思いました。


メロディー・チューバック:ありがとうございます。そういう歌い方を自分のスタイルにしていけたらなと思ってます。


ーー今後やりたいサウンドなどはありますか?


メロディー・チューバック:もっともっとしっとりたっぷり歌う究極のバラードや、ガッツリ踊るカッコいい系の曲などもやってみたいです。できるかどうかは謎ですけど(笑)。


ーー2017年の目標は?


メロディー・チューバック:ひとりでも多くの人にメロディーを知っていただくこと。まずはそこに向けて頑張ります。モデルやMCなど幅広いエリアの仕事にも、積極的にチャレンジしていきたいです。


ーー生で歌う場面も多くなりそうですね。1月23日には、渋谷WWWでコンベンションライブも。


メロディー・チューバック:インストアで歌う姿もまだ想像できてないのに、こんなに大きな場所で、しかも、生バンドと一緒にできるなんて、幸せ以外の何物でもないです。これが私の夢の第一歩。みなさんと一緒に楽しみたいと思ってますので、ぜひいらしてください!
(取材・文=藤井美保)