先日発言小町に、「高学歴、役に立っていますか?」と問うトピックが立った。トピ主は小学生の子どもを持つ会社員の母(42歳)で、子どもの進学を考え始めたとき疑問が生じたようだ。
自身は中学受験をして都内の国立大学を卒業、新卒入社で勤続20年、結婚・出産を経て、給料は平均的なサラリーマンくらいだという。しかし、自嘲気味にこう漏らす。
「収入でも昇進でも、ましてや家庭生活でも、はっきり言って、あの時の"勝利"は全く活かせてませんし、何の役にもたっていません(苦笑)」
周りを見まわしても同じで、東大院卒からマーチ(明治・青山学院・立教・中央・法政)くらいまでいるが、昇進や役員就任には関係がなく実力差。どこの大学を出たかなど話にも上がらない。
中高は推薦枠もあったが、あえて困難な道を選び勉強に励んだだけに、「上を目指した意味は何だったのだろうかと考えてしまいます」と虚しさこぼす。最後に「高学歴をどんな風に活かしていらっしゃいますか?」と問いかけていた。(文:okei)
「就きたい職に就ける」人脈や教養を挙げる人も
レスの反応はトピ主に対して「就職のとき有利だったでしょ!」と批判的な声が多かった。人気一流企業が大学名で最初の選別を行うことは、全てではないにしても現実としてはある。トピ主の経歴から見ても、それなりの優良企業にお勤めの様子。学歴は少なくとも就職には役立っているだろう。
「高学歴が役に立った」とする人の意見も、まず「自分の就きたい職につけた」ことを挙げる人が多い。160近くあったレスの中から、「高学歴のメリット」を大まかに書き出してみよう。
・仕事に困らない
・家庭でも子供に勉強を教えられる、受験に有利
・良い人脈がつくれる
・知識、教養、精神力がついた
「若い時に夢見た職につけて、したかった研究で生活も成り立っている」という人や、「一流大学ほど知的に魅力的な友人が多くできる」との持論を持つ人も。「海外赴任先にたいていOBがいて助けてもらえる」などは、「採用する企業もその人脈に期待する」との書き込みを裏付けるようだ。
「教養や知識、ものを考え表現する力、自信や精神力が付いたこと」とする声も多く、直接のメリットが金銭とは限らない。
大学卒くらいじゃ、高学歴とは言いません! という声も
ちなみに、ここで自ら高学歴と名乗り出た人は、都内の国立大卒の上に米国大学院の修士・博士課程を修了し、博士号やMBA(経営学修士)を取ったという人が目立つ。年齢は恐らく40~50代以上。良い就職ができたからといって立ち止まらず、常に勉強し自分自身を高めている様子だ。ある意味で学歴など関係なく上昇する人たちかもしれない。
一方で、「いい大学を出ましたが、リストラされ派遣社員。女性に学歴は関係ないのかも」という、44歳独身女性からの書き込みもあった。彼女は専門学校卒で専業主婦・2児の母である弟の嫁をうらやんでいた。いま、高学歴でも非正規雇用で働く「高学歴プア」が話題になっているが、「いい大学出てればそれなりの人生を生きていけると思っていたのに」という言葉が重い。
「成績が伸び悩んで精神的に病んでしまう同級生をたくさん見てきた」という人は、学歴欲しさに子ども時代を勉強ばかりに費やしてしまうことに否定的だ。
短大を含めた大学進学率が54.6%(文科省の2015年度調査)のいま、「学部卒くらいでは高学歴とは言えない」という声が多い。「無理して時間と費用・エネルギーを費やして勉強するリスクなどに比べて見返りが少ない」と、トピ主が疑問を感じるのも分かる気がする。
学歴によって一生安泰のキップが手に入る時代ではない。自分は本当はどうしたいのか、冷静に考え続ける必要があるのだろう。