ヤマハは2017年のMotoGPに搭載される新型YZR-M1が“革命的”な仕上がりだとほのめかしているものの、実際に新規設計されたのはエンジンのみとなりそうだ。
ヤマハのテクニカルディレクターであるマッシモ・メレガリは、16年末に17年型マシンのプロトタイプ開発が遅れていると発言。その際、マシンが“革命的”なものであることが遅れの原因と語っていた。
しかし、チーム関係者はメレガリがほのめかしたような劇的な改良は施していないといい、17年型マシン用に新規設計されたものはエンジンのみで、そのほかのパーツは16年型マシンをベースに改良されたものになるとしている。
上述の関係者は「もちろん、アップデートは行うが、本当に大きな問題を抱えていなければ、マシンの“哲学”を修正するようなことはない」と語っている。
「今季投入するマシンは16年マシンがベースになっていて、そこからシャシーやスイングアーム、エンジン、サスペンションなど、あらゆるものを改良した。しかし、根本の設計思想を変えてはいない」
16年シーズン、ヤマハからMotoGPに参戦したバレンティーノ・ロッシとホルヘ・ロレンソは、チャンピオン争いを繰り広げたものの、最終的にはホンダのマルク・マルケスに敗れ、ランキング2~3位に終わっている。
しかし、マシンポテンシャルではヤマハにアドバンテージがあったと考えられており、チャンピオンを逃した要因はシーズン序盤に起きたエンジントラブルだと考えられている。
ある情報源は「(ポストシーズンテストの)バレンシアではいくつかのテストを行ったが、使用したマシンは完全な17年仕様ではなかったし、セパンテストに送り込むものとも違う」と明かす。
「セパンの合同テストには16年シーズンに集めたデータと、(16年11月に行った)セパンでのプライベートテスト、バレンシアテストで得たデータを反映したプロトタイプを用意する」
「もちろん、その後も開幕までにマシンには手を加え続けていくことになる」
なお、ヤマハは19日の現地11時30分(日本時間19時30分)にスペイン・マドリードで体制発表会を開催。この場で17年型YZR-M1をアンベイルする。