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豪州SC:ボルボと係争中のGRMが計画を放棄。ホールデン陣営に復帰へ

2017年01月19日 17:12  AUTOSPORT web

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2017年シーズンにボルボS60を走らせる計画を断念したGRM
2014年からボルボのファクトリーチームとして活動してきたギャリー・ロジャース・モータースポーツ(GRM)は、2016年限りでワークス活動からの撤退を決めたボルボとの間で活動継続を求める法廷闘争を続けていたが、ここへきてボルボとの関係継続を放棄する決断を下し、2017年シーズンはホールデン・コモドアを走らせるべく準備を進めることを明かした。

 撤退を決めたボルボに対し、GRMの代表を務めるギャリー・ロジャースは、VASC(ヴァージン・オーストラリア・スーパーカー・シリーズ)向けに開発されたシャシーとエンジンを買い取る交渉を続けてきたが、ボルボ側は回収を主張。両者の議論は平行線の状態が続いていた。

「ボルボS60には(ヤマハが開発した)優れたエンジンが搭載されていた。そのエンジンが使えなくなったとしても、共通フレームを使用しているシャシーだけでも我々の手元に残し、シリーズが用意する(シボレー製)共通エンジンを搭載する可能性を探っていた」と、ロジャース。

「しかし、その計画も上手くはいかなかった。エンジンもシャシーもこのシリーズに特化した仕様で、世界のどこでも使えるわけではないから懸命に説得を試みたのだが、最終的には理解を得られなかった……ということだ」

 また、ロジャースはオーストラリアで古くからモータースポーツ活動を続けてきた“保守的な”自身のスタイルから考えても、ボルボのシャシーを買い戻して、そこにシボレー製の共通エンジンを搭載してツーリングカーを仕立てることは「できれば避けたい」事態だったと振り返る。

「ボルボの優れたエンジンの購入を含む、すべての選択肢が消滅したことを受け入れ、昨年末に(ボルボとの関係継続を諦める)決断を下したんだ」

 2017年シーズンに向け、ジェームス・モファットと移籍を決めたガース・タンダーのふたりのドライバーのため、新たにホールデン・コモドアVFの製作を進めるべく休暇返上で作業を進めているという。

「現在のCOTF(カー・オブ・ザ・フューチャー)規定の常識的なマシン製作期間は約16週間だ。下部組織のダンロップ・シリーズ向けに準備している2台のマシンと合わせて、そちらの最終ビルドを進めながら、今後10週間以内に2台の新車を製作する必要がある」と、ロジャース。

「結果的に、この5カ月で4台のニューカーを製作することになったよ」

 2017年シリーズの開幕前テストは、2月21日のシドニー・モータースポーツパークでの開催が予定されている。