元F1ドライバーのマーティン・ブランドルは、バルテリ・ボッタスがウイリアムズからメルセデスへ移籍したことで、逃げも隠れもできなくなるだろうと考えている。
2016年最終戦アブダビGPでワールドチャンピオンを獲得した数日後に電撃引退を発表したニコ・ロズベルグの後任をめぐって様々な推測がなされてきたが、メルセデスは2017年のハミルトンのチームメイトとしてボッタスと契約したことを正式発表した。
「ボッタスは確かに速いが、レースでの勝利やチャンピオンシップ獲得を期待されているマシンに乗るとなれば話は違ってくる」ボッタスの移籍が公然のものとなる前にブランドルはそう語っていた。
「逃げも隠れもできないよ。ただボッタスにはそれに対処するだけの精神力があると思う」
「ルイスは『かかってこいよ、誰が来ようとも俺はそいつらより速いぞ』というタイプの人間だが、もしフェルナンド・アロンソやセバスチャン・ベッテルが来ていたら少し神経質になっていたはずだ」
「本当に面白くなるのは今シーズンの終わりだよ。たくさんのトップドライバーたちが契約満了を迎えるからね」
ブランドルはまた、ロズベルグがタイトル獲得直後に引退するという決断が理解できなかったと語り、それはメルセデスの勢いを止めるものだと考えている。
「(ロズベルグの引退によって)メルセデスは非常に苦しい立場に立たされたんだ。そして今後数シーズンにも影響するかもしれないね」
「私はニコが『今がキャリアのピークだ。やりたかったことはすべて達成したからこの舞台から身を引くよ』という勇気を持ち合わせていたことに恐れ入ったよ。大胆かつ勇敢な決断だ」
「でも情熱はどこにあるんだ?この素晴らしいマシン、素晴らしいチームを世界に再び知らしめるための献身はないのか?」
「ほとんどのドライバーにとって、あんなマシンを運転できるのはキャリアのうち1シーズンあるかないかだよ」
「頂上に登りつめたら、その景色を楽しみ、降りていくことに喜びを感じるんだ。リフトを使って降りたり、最初の非常口に駆け込んだりはしないさ」
「私にはわからないね。でも彼には敬意を払うし、彼が決めたんだから、その決断について疑いを持つことはできない。だけどそれは私が理解したということではないんだ」