フレデリック・バスールは、自身が下したルノーF1チームから去るという決断が、今季新加入のニコ・ヒュルケンベルグにとっては受け入れがたいものだっただろうと認めた。
ルノーがワークスとしての復帰して2016年シーズンを終えた後、バスールは上層部との意見の食い違いからチーム離脱を発表した。
ルノーは今年、ジョリオン・パーマーのチームメイトとしてニコ・ヒュルケンベルグと契約した。バスールは、新加入のヒュルケンベルグがルノーのリーダー、そして精神的支柱になると歓迎していた。
ヒュルケンベルグは2008年にフォーミュラ3のユーロシリーズでタイトルを獲得し、2009年にはGP2のタイトルも獲得したが、このとき彼が所属していたARTグランプリはバスールが代表を務めていたため、今回の離脱騒動はより複雑なものになった。
「ルノーを去るという決断を下すとき、そのことが大きなハードルになったんだ」バスールはヒュルケンベルグとの関係についてそう語った。
「私はニコと親しいので、ルノーが彼を獲得するために多くの力を注いだんだ」
「このチームを去るという決断はベストなものだったと思う。うまく機能していなかったのさ。それは明らかだった」
「この決定についてニコとはたくさん話し合った。彼はずっと応援してくれたよ」
「彼にとって私の決断は受け入れがたいものだったが、彼は深く関わってくれたし、(今後も)最善を尽くしてくれるだろう」
「これこそ私が彼をこのチームに欲していた理由だ。チームは再編成されている途中であり、私にとってリーダーを擁立することは重要なことだった」
「何が起ころうとも、ニコはリーダーとして行動し、チームを引っ張っていってくれることだろう」
「チームが成功を収める上で重大な要素だと思う」
ウイリアムズ、ザウバーとチームを渡り歩いてきたヒュルケンベルグにとって、今年はF1での7年目のシーズンとなる。
115レースに参戦しながらいまだ表彰台を獲得したことのないヒュルケンベルグだが、彼にはこの流れを断ち切るだけの能力があるとバスールは考えている。
「彼は過去10年間に私がジュニアシリーズで見てきたドライバーのなかで最も才能のあるドライバーのひとりだ」
「ルーキーイヤーでGP2のタイトルを獲得したドライバーはこれまでに3人しかいない。ルイス・ハミルトン、ニコ・ロズベルグ、そしてニコ・ヒュルケンベルグだ」
「ニコ(・ヒュルケンベルグ)はワールドチャンピオンを獲得できる数少ないドライバーのひとりだと思う」